スマホは先行きが見えず

グーグルの「Pixel 6」シリーズはAIによるさまざまな機能が魅力

パソコンはもう10年以上前にコモディティー化しているので、メーカーも耐性ができている。今年課題になるのはスマホだ。もう、目玉となる新機能がほとんど見当たらないのだ。

カメラ競争はおなかいっぱいで、処理性能も中級クラスで十分と考える人が増えている。最近は10万円を超える最上位モデルより4万~6万円程度のミドルレンジモデルが人気を集めており、これらがさらに売れ行きを伸ばすだろう。

というより、もはや10万円を超えるハイエンドモデルがネタ切れ状態なのだ。折りたたみモデルも爆発的に普及するとは思えない。

これからのポイントは、ソフトウエアによる魅力になるだろう。米Google(グーグル)の「Pixel 6」シリーズは、事前予想よりも人気となり、一部で品切れとなっている。スペック的にはたいしたことはないのだが、人工知能(AI)によるカメラの画像処理機能や音声認識機能が評判となり、ジワジワと売り上げを伸ばしそうだ。22年からスマホやパソコンは本格的なAI時代に突入するだろう。

AIと言われても、その恩恵がよくわからないかもしれない。例えば、画素数やカメラの機能以上にきれいな写真が撮れたり、翻訳や音声認識の精度が圧倒的に向上したりする。結果、スマホの使い方が変わってくる。

GoogleとApple、マイクロソフトには追い風だ。OS(基本ソフト)を持たないスマホメーカーは価格下落に苦しみそうだ。

プロ向けのスマホが増えてくる

ソニーの「Xperia PRO-I」は高級デジカメ並みのカメラを搭載する

コンシューマー向けのスマホが苦労する一方で、プロ向けの製品はそれなりに元気だ。ソニーが21年12月に発売した「Xperia PRO-I」は、「高級デジカメ並みの動画や写真が撮れる」とプロカメラマンから絶賛されている。こうした明確な主張のあるスマホが今後は増えてくるだろう。

ゲーミングスマホや現場向け、アウトドア向けのモデルなども目立ってきそうだ。これは、パソコンとまったく同じ流れだといえる。

5Gはホームルーターに価値あり

NTTドコモ向けの5Gホームルーター「home 5G HR01」。シャープ製で、5Gの通信速度4.2Gビット/秒(下り)を誇る

22年には、高速通信規格「5G」の対応エリアがようやく広がる。5Gがリリースされたときにも書いたが、5Gの恩恵を受けるのはスマホよりもノートパソコンやホームルーターだ。

ノートパソコンは外出先でクラウドストレージと同期する際に、5Gであることのメリットが大きい。だが、コロナ禍で外出そのものが減っている状況では、まだその価値は見えづらい。以前のようにモバイル利用が当たり前になったとき、5Gのニーズがより高まるだろう。

22年にヒットしそうなのが5G対応のホームルーターだ。5G対応のホームルーターを購入し、コンセントにつなげば超高速なWi-Fiを即日使えるようになる。工事が難しい集合住宅などで重宝されるだろう。

動画の視聴、ゲーム、テレワークなど高速通信のニーズは旺盛だ。22年は対応エリアの拡大とともに、5G対応ホームルーターが急速に普及するだろう。

戸田覚
1963年生まれのビジネス書作家。著書は150点以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。