音楽鑑賞やハンズフリー通話にも対応
同商品はオンライン会議や接客、通勤など、さまざまな利用環境に応じたシーン設定ができることも特徴。オフィスで働くビジネスパーソン、ホテルやレストランの接客スタッフ、建設現場のエンジニアといった職場の違い、通勤時、休日の家族だんらん時などといった利用環境に応じて、設定データをプロがあらかじめ10シーン作成している。ユーザーはそのうち最大4つまでを本体に登録できる仕組みだ。使用環境が変わった場合は、スマホのアプリから簡単に登録内容を変更できる。
さらにワイヤレスイヤホンのように高音質で音楽鑑賞したり、本体内蔵のマイクを使ってスマホでハンズフリーの通話をしたりすることも可能。
充電ケースはUSB Type-Cケーブルでの充電のほか、スライド式USB Type-Aコネクターを内蔵しているので、ケーブルレスでパソコンからダイレクトに充電することもできる。

狙いは「健聴寿命」を伸ばし生涯現役
シャープは「8K+5GとAIoTで世界を変える」を企業ビジョンに掲げ、8つの事業分野でのイノベーションを目指しているが、中でも重点テーマに位置付けているのが、ヘルスケア事業だ。20年6月にNCIと資本業務提携契約を締結したのも、スマホの開発で培ったシャープのICT(情報通信技術)と、NCIの医療に関するノウハウや実績を組み合わせることで、医療領域における事業拡大や相乗効果が期待できると考えたため。
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、協業開始からの1年で、オンライン診療などデジタルトランスフォーメーション(DX)推進への機運は急速に高まっている。シャープはコアとなる情報通信技術を活用し、両社協業の強みを生かす商品作りを約1年かけて行っており、メディカルリスニングプラグはその第1弾だという。
「メディカルリスニングプラグは、まだまだ現役でバリバリ働きたいが、聴力の低下で仕事を続けられるのか、パフォーマンスの低下がないのかなど、不安を持つ方に向けて開発した。聞く力が健康な状態である『健聴寿命』を伸ばすことで、厚生労働省が推進する生涯現役社会の実現に貢献したい」(シャープの津末陽一専務執行役員・ICTグループ長)
今回の発売後の反応を見ながら、今後はメディカルリスニングプラグをシリーズとして幅広く展開していく予定だという。
(ライター 桑原恵美子、画像提供 シャープ)
[日経クロストレンド 2021年9月10日の記事を再構成]