日経Gooday

風邪のひきはじめには、あえて「軽い運動」を

――とはいえ、感染しないに越したことはありませんよね。大谷さんが、自身も感染する可能性がありながら、ずっと診療を続けられたのは、何がポイントだったのでしょうか。

大谷 感染対策をきちんと行うということは前提として、それに加え「体調不良になりにくい体をつくる」ということに尽きます。忙しいからといって、コンビニで買ったおにぎりやパンばかりで食事を済ませていたり、睡眠不足の日が続いたりすると、体の抵抗力が弱くなり、感染症にかかりやすくなります。

注意したいのは、風邪のひきはじめに「たかが風邪だから」と侮って、十分に休養をとらずに、それまで通り仕事をやろうとしてしまうこと。すると、新型コロナなど、もっとひどい感染症にかかるリスクが高くなります。第5波でも、「自分は感染症対策をしっかりしていたのに、なぜ感染してしまったのでしょうか」と疑問に思う患者さんもいましたが、実は「体調を崩しかけていたときに、無理をしてしまった」というケースは少なくないのです。

――確かに、少々体調が悪くても、ついそのままにしがちです。

大谷 コロナ禍で1つよかったことがあるとすれば、「体調が悪いときは休む」という意識が浸透したことです。以前は、風邪をひいても市販の風邪薬を飲んで会社に来て仕事をしていた人も少なくありませんでした。「つらくても休めないあなたに」といった趣旨の風邪薬のキャッチコピーもありました。

ただ、日本人は真面目なのか、「少しでも体調を崩すと休まなければならない。そうするとみんなに迷惑をかけるから、絶対に体調を崩したくない」と思う方もいらっしゃいます。そのためにどうしたらいいか、という相談も受けるようになりました。

――仕事に穴を開けて迷惑をかけたくないから休めない、と思っている人は多そうです。そういった方にはどのようにアドバイスするのですか?

池袋大谷クリニック院長の大谷義夫氏

大谷 風邪のひきはじめにやると効果的なのは、実は「軽い運動」です。10~15分、ウオーキングやジョギングをするといいでしょう。あるいは、お風呂に入って体を温めてから寝る。そうすると、免疫が活性化し、その後の回復が早くなります。

また、体調不良にならない体をつくるという意味では、栄養バランスのとれた食事、質の高い睡眠、適度な運動が大切です。多忙ですとついおろそかになってしまいますが、書籍『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理 コロナ対応版』では、私が実践している忙しくても手軽にできる方法がまとめられていますので、ご参考にしてください。

――ありがとうございます。

(写真:鈴木愛子)

[日経Gooday2021年12月9日付記事を再構成]

大谷義夫さん
池袋大谷クリニック院長、呼吸器内科医。2005年に東京医科歯科大学呼吸器内科医局長に就任。米国ミシガン大学への留学などを経て、2009年に池袋大谷クリニックを開院。全国屈指の呼吸器内科の患者数を誇るクリニックに。呼吸器内科のスペシャリストとして、「NHKおはよう日本」「羽鳥慎一モーニングショー」「ワールドビジネスサテライト」など多くのTV番組に出演。『肺炎を正しく恐れる』など著書多数。

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