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スマホの2021年 低価格プラン乱れ咲き、端末は二極化

佐野正弘のモバイル最前線

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルス禍による緊急事態宣言が長く続いた2021年。携帯電話業界は20年に続き、菅義偉前首相が政権公約に掲げた「料金引き下げ」に振り回され続けた。

その象徴が、大手携帯電話事業者3社が打ち出したオンライン専用プラン。20年末から21年頭にかけてNTTドコモの「ahamo(アハモ)」、ソフトバンクの「LINEMO(ラインモ)」、KDDIの「povo(ポヴォ)」と、大手3社のオンライン専用プランが出そろった。いずれも月額3000円弱で月20ギガバイト(ギガは10億、GB)の高速データ通信ができるのが売りだった。

ahamoが独走も伸びに陰り

オンライン専用プランの緒戦を制したのはahamoだ。ahamoの契約数は4月末時点で100万を突破、11月時点では200万を超えた。一方、povoは10月末時点で約100万契約とahamoの半数にとどまる。LINEMOも8月時点での契約数が50万に届いておらず、その後LINEMO単体の数字を非公表とするなど、あまり伸びていない様子がうかがえる。

そこでKDDIとソフトバンクの2社は年後半、オンライン専用プランを強化した。KDDIは9月、povoを「povo 2.0」へと全面リニューアルした。基本料を0円とし、期間や容量に応じた通信量を「トッピング」して利用するようにした。従来のpovoとはまったく違う内容に生まれ変わったといってよいだろう。

ソフトバンクは7月、LINEMOに「ミニプラン」を追加。月当たりのデータ通信量は3GBと小容量ながら月額990円のプランを用意して、潜在数の多い小容量・低料金の利用者の取り込みを図った。

もっともオンライン専用プランは、全体ではahamoでさえ「大成功」とは言いづらい。例えばサービス開始直前には、一部サービスでキャッチホンや転送電話が使えなかったり、携帯料金とコンテンツの利用料金を一緒に請求する「キャリア決済」の一部が使えなかったりすることなどが次々と明らかになり、利用者を混乱させた。

最近はトップランナーのahamoでも契約の伸びが鈍化しており、サービス開始当初の勢いが見られない。オンライン専用プランのニーズは確実に存在するものの、その規模はそれほど大きくない可能性も取りざたされており、正直なところ行き詰まり感が出ている。

サブブランド対抗策に苦慮するNTTドコモ

では、低料金サービスの伸びをけん引したのは何か。1つはサブブランドである。サブブランドの中でも大きなインパクトを残したのが、KDDIのサブブランド「UQ mobile」が6月に提供開始した「でんきセット割」であろう。

これは指定の電力サービスを契約すると、最も安いプランであれば月額990円と1000円切りを実現する割引サービスだ。家族の人数に関係なく、単身者でも割引を受けられることで話題となった。さらに9月には固定ブロードバンドサービスも割引対象に加えた「自宅セット割」へと進化した。

ソフトバンクのサブブランド「ワイモバイル」も8月、余った通信量を翌月に繰り越せる「データくりこし」を提供開始するなどサービスを強化した。これが功を奏してワイモバイルは契約数を順調に増やしているようだ。ソフトバンクはLINEMOではなくワイモバイルを低料金サービスの主軸にすると明言している。

一方、サブブランドを持たないNTTドコモは、ahamoの好調をもってしてもKDDIとソフトバンクのサブブランドに押され気味だった。そこで同社は10月、低料金が強みのMVNO(仮想移動体通信事業者)のサービスをドコモショップ店頭で契約・サポートできるようにする「エコノミーMVNO」を打ち出した。エコノミーMVNOのサービスではポイントサービス「dポイント」も利用できるようにすることで、KDDIとソフトバンクのサブブランドに対抗する。

ただエコノミーMVNOの仕組みは、利用者がNTTドコモ以外のMVNOに契約先を変える手間がかかる。サブブランドと比べるとデメリットが多く、対抗策としてどこまで有効かは未知数だ。

「0円プラン」の楽天モバイルも課題山積

新規参入の楽天モバイルも低料金サービスをけん引した。同社は4月、通信量1GB以下であれば月額0円で利用可能という段階制プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」を開始して大きなインパクトを与えた。

楽天モバイルは自社回線が利用できるエリアを急速に拡大している。10月時点で人口カバー率94%を超えたことを受けて、同月からKDDIの回線を借りる「ローミング」を39都道府県の一部地域で終了させると発表した。契約数も9月末時点で411万に達し、順調に伸びているように見える。

だが楽天モバイルは、世界的な半導体不足の影響が直撃して人口カバー率96%達成の目標を21年夏から22年春に延期するなど、依然としてエリア整備に課題を抱えている。経営面でも、楽天モバイルへの先行投資で親会社の楽天グループの赤字が続いている。

各社の施策によって、わずか1年のうちに国内の携帯料金は急速に下がった。ただ、最近は料金を巡る動きは落ち着きつつある。10月に誕生した岸田文雄政権は地方のデジタル実装に力を入れる「デジタル田園都市国家構想」を掲げている。政府は料金よりむしろ、高速通信規格「5G」のエリア整備や、5Gの次の通信規格「6G」に向けた技術開発に力を注いでほしいところだ。

スマートフォンは二極化が顕著に

続いて21年のスマートフォン端末を巡る動向を振り返る。大きな動きの1つは、5Gが当たり前のように搭載されるようになったことだが、より気になったのは端末価格の極端な二極化だ。

まず従来のハイエンドモデルよりさらに高額で、なおかつ非常に高い性能やこだわり抜いた機能を詰め込んだスマホが増えた。その象徴が、高級コンパクトデジカメが使用する1インチサイズのイメージセンサーを搭載したスマホの登場だ。

シャープの「AQUOS R6」、そのシャープが開発し、ドイツのカメラメーカー「ライカ」が監修したソフトバンクの「Leitz Phone 1」、そしてソニーの「Xperia PRO-I」など、各社が1インチセンサーを搭載したスマホを相次いで投入した。いずれも値段は10万円を超えるが、プロのニーズにも応えられる品質の写真を撮影できることで話題となった。

それ以外にも、21年には、ほかにはない高い機能・性能を備えるが、20万円前後もする高額なスマホが登場した。韓国サムスン電子の折り畳み型スマホ「Galaxy Z Fold3 5G」や、米Apple(アップル)の「iPhone 13 Pro Max(1TBモデル)」などである。新興家電メーカーのバルミューダが11月に発売した「BALMUDA Phone」もこだわりを詰め込んだ結果、価格が10万円を超えて評価が分かれた。

高額スマホが急増する一方で、2万円前後で購入できる非常に低価格なスマホが21年には急増した。先駆けはソフトバンクが2月に販売した中国・小米(シャオミ)製の「Redmi Note 9T」だ。2万円強ながら、5Gに対応し6.53インチの大画面ディスプレーとトリプルカメラ、さらにはおサイフケータイの「FeliCa(フェリカ)」まで搭載するコストパフォーマンスの良さが評判となった。

NTTドコモから販売されたソニーの「Xperia Ace II」も人気を集めた。こちらはRedmi Note 9Tとは異なり5Gには非対応で、ディスプレーサイズも5.5インチとコンパクト。また、2万2000円という低価格に加え、国内メーカーが提供するという安心感で年配層などの人気を博し、ソニーの国内市場シェア拡大に大きく貢献した。

22年3月末にはKDDIが3Gのサービスを終了する予定だ。NTTドコモやソフトバンクの3Gサービスも終了が迫っている。3G対応端末を使い続けている利用者を4G、5Gに移行させるため、各携帯事業者が低価格端末の投入に注力する動きは22年以降も続く可能性が高い。

一方、メーカー側は、利益面での貢献が大きい、ニッチながらも技術の粋を詰め込んだ高額スマホにいっそう傾注するだろう。スマホの二極化はさらに進み、ユーザーのスマホ選びに影響を与えそうだ。

佐野正弘
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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