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ランキングを見ると、1位から10位までをアニメ化されたコンテンツが占めている。それぞれ月別の順位変動を見てみよう。

「20年の冬までは『鬼滅の刃』が強かったのですが、21年の2月から『呪術廻戦』が抜いて、そこから首位をずっとキープしていました。その後、4月頃から上昇してきた『東京リベンジャーズ』が6月に入れ替わっています。また『名探偵コナン』は4月の映画の公開タイミングで順位を上げています」

21年、話題をさらった『イカゲーム』は9月に初登場し、10月に2位まで上がった。ただ年間を通してみると、20年の韓流ドラマブームをけん引した『愛の不時着』のほうが上位に来ている。

「こうした過去の作品がいつまでも強いという動きは、配信ならではの現象でしょう。『イカゲーム』を見たことで、これまで韓国ドラマに興味はなかったけれど、この機会に20年に話題になった『愛の不時着』に目を向ける。結果、過去の作品がランキングでいつまでも強いという動きが生まれています」

人気作品はどこでも上位

人気ランキングの上位にランクインした作品の多くは、複数の配信サービスで楽しめる作品だ。これはアニメに限らず、他のジャンルでも同じことが言える。

「例えば、13位にランクインしている『ウォーキング・デッド』。これはジャンル別の“海外ドラマ”では1位で、本当に根強いファンがいます。“海外ドラマ”の中では高い人気を誇る『NCIS』も長年のファンが多い。ただ、『NCIS』も『ウォーキング・デッド』も、複数の配信サービスで楽しめる作品です。また、“日本ドラマ”の中で上位にあがる『孤独のグルメ』も複数の配信サービスで楽しめるものになります」

こうしたランキングを見ていると、改めてNetflixの独自性が際立つ。

「『海外ドラマ』ジャンルで上位に入った『愛の不時着』『イカゲーム』はNetflixでしか見られないコンテンツ。『全裸監督』もNetflixオリジナルですね。サービス別の全体の視聴ランキングを見ると、やはり『呪術』『東リベ』などのアニメが上位に来るのですが、ランキングの半分くらいは『愛の不時着』『イカゲーム』など、オリジナル作品が入ってくる。そういう意味では、Netflixは独自性をしっかりと打ち出していると言えます」

そのサービスでしか見られない、という路線をさらに進めたのがディズニープラスだろう。

「サービス別視聴ランキングを見ると、『ロキ』『マンダロリアン』など上位に来るのは、他の配信では全く見られないオリジナルシリーズばかり。数あるSVODの中では突出しています。ディズニープラスは10月末に、新たなブランド、STARが加わったことで、作品数が1万6000超も増えました。量も確保しつつ、これまで以上に独自性が広がっています」

例えば、STARブランドでは、前出の『ウォーキング・デッド』のファイナルシーズンを独占先行配信しているので、一刻も速く見たいなら入るしかない。また20世紀スタジオやサーチライト・ピクチャーズなどの映画作品や海外ドラマのヒットシリーズもそろっている。その中には他の配信サービスでは見られない、見られたとしても別料金がかかる作品も多く、ディズニープラスならではの魅力がさらに増したと言える。

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