重いWindowsを軽快に 不要なアプリ・処理止める方法

日経PC21

パソコンは、同時に複数のプログラムを動かすことでいろいろな機能を実現している。しかし、性能がそれほど高くないパソコンでは、多くの処理が集中したときに、使用中のアプリも含めて全体的に動作が遅くなる。いわゆる「重い」状態だ。今回は、そうした環境でも負荷を軽減できる、基礎的な設定をいくつか紹介しよう。

不要なアプリを止め、リソースの浪費を抑制する

パソコンの負荷を軽減するために重要なのは、「不要なアプリを起動しない。開いたままにしない」ということだ。アプリを起動すれば、その分メインメモリーが使われるし、プログラムが背後で動作することでCPU(中央演算処理装置)の処理能力も奪われる。

まずは、Windowsを起動した際に自動で実行されるプログラムを確認し、明らかに不要なものがあれば止めてしまおう(図1)。

図1 「設定」画面の「アプリ」→「スタートアップ」を開くと(1)、ログイン時に自動起動するアプリの設定ができる。スイッチをオフにしたアプリは、次回から自動では起動しなくなる(2)

次に、ウインドーを閉じただけでは終了せず、常駐するアプリに対処しよう。この1~2年で利用が拡大しているビデオ会議のアプリは、会議への招待やメッセージなどを着信するため常駐することが多い(図2)。着信が不要なアプリは常駐しない設定にしておこう。

図2 ウィンドウを閉じても終了せず、背後で動作を続けるアプリは、タスクバー右側の通知領域にアイコンが表示されることが多い。「∧」をクリックすると(1)、表示される場合もある(2)

ここでは「Teams」(図3)、「Skype」(図4)、「Zoom」(図5)の設定方法を挙げておく。

図3 Teamsの常駐を止めるには、図2(2)のアイコンを右クリックして「設定」を選択。開く画面の「一般」を開き(1)、「閉じる時に、アプリケーションを実行中のままにする」という項目のチェックを外す(2)
図4 Skypeの常駐を止めるには、アカウント名の右側にある「…」ボタンのメニューで「設定」を選択。開く画面の「全般」を開き(1)、「終了時に、Skypeを実行したままにする」という項目のスイッチをオフにする(2)
図5 Zoomの常駐を止めるには、通知領域のアイコンを右クリックして「設定」を選択。開く画面の「一般」を開き(1)、「閉じると、ウインドーが最小化され、タスクバーではなく通知エリアに表示されます」という項目のチェックを外す(2)

ウェブブラウザーの「Edge(エッジ)」も、バージョン89からWindows起動時の自動実行と常駐を行う「スタートアップブースト」機能が追加された。こちらは通知領域にアイコンを出さない。通常、機能はオフだが、設定画面で確認しておくとよいだろう(図6)。

図6 Edgeでは右上の「…」ボタンのメニューから「設定」を選び、「システム」にある「スタートアップブースト」と「Microsoft Edgeが終了しても…」をオフにする(1)(2)。「スリープタブ」の設定も同じ画面でできる(3)(4)

また、「スリープタブ」機能を有効にしておくと、一定時間アクティブでないタブを一時停止状態にして、CPUやメモリーの使用率を下げることもできる。日常的にEdgeを起動したままにしている人は、負荷を抑える効果を期待できるので試してみよう。

次に、背後で動作している処理に着目する。「タスクマネージャー」を使うと、動作中のプログラム(プロセス)を、CPU、メモリー、ディスクなどで「負荷の大きい順」に並べてチェックできる(図7図8)。

図7 「Ctrl」+「Shift」+「Esc」キーでタスクマネージャーが開く。情報量が少ない表示の場合は、左下の「詳細」をクリックする
図8 タスクマネージャーを詳細表示にして「プロセス」タブを開き(1)、いずれかの項目をクリックすると、その項目の負荷が高い順に動作中のプログラムを並べ替えることができる(2)

特定のアプリが負担になっていなければ、負荷の大きなプロセスは、「Windowsの更新」「Windowsの自動メンテナンス」「検索用のインデックス作成」「他社アプリで自動実行される機能」のいずれかに関わるものである可能性が高い。

Windowsの更新は、一般的な方法で完全に止めることはできない。しかし、一時的に停止し、最長で連続35日間延期できる(図9図11)。期限ギリギリの作業を行う状況では、更新による負荷を後回しにするのも一つの手だ。特に、毎月第二火曜日の翌日に当たる第二もしくは第三水曜日は、Windowsの定期的な更新プログラムが公開されるので、必要なら事前に後回しにする設定をしておくとよい。

図9 Windowsの「設定」画面の「更新とセキュリティー」→「Windows Update」を開き(1)、「更新を7日間一時停止」をクリックすると自動更新が7日間止まる(2)。そのほかの設定は「詳細オプション」をクリックする(3)
図10 自動更新を止めると、更新状況の表示が(1)のように変化する。(2)をクリックすると自動更新を再開。(3)をクリックすると更新の停止期間を延長できる
図11 「詳細オプション」の画面で更新の停止期間を日付で指定できる(1)。「更新プログラムをインストールする…」をオフにすると、Windowsの更新後に勝手にパソコンが再起動されなくなる(2)

ちなみに、図9の画面にある「アクティブ時間の変更」は、Windowsの更新後に再起動が必要であっても、自動では再起動しない時間帯を設定するもので、更新プログラムのダウンロードやインストールを抑制するわけではないため、「パソコンの重さの軽減」にはあまり役に立たない。なお、図11の画面には、更新後に再起動が必要な場合、すぐに自動で再起動する設定がある。ここがオンになっていてもアクティブ時間は避けて再起動するが、オフにしておいたほうがよいだろう。

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インデックスの更新で処理が重くなるケースも