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日経Gooday 30+

腸を整えるビフィズス菌 認知機能が改善する研究も

2021/10/16

日経Gooday 30+

写真はイメージ=123RF
日経Gooday(グッデイ)

認知症は40代50代からの予防が重要だ。若い頃からの認知症治療や研究に取り組む医師らの啓発団体「40代からの認知症リスク低減機構」は、8月27日に「脳寿命を延ばす いまの状態を把握し、対策を考える ~脳と腸からはじめる認知症予防の可能性」と題するオンラインメディアセミナーを開催した。前回記事(「脳と腸の意外な関係 腸内細菌が認知症に影響する?」)に引き続き、講演の内容を紹介する。

今回は、森永乳業株式会社研究本部基礎研究所長の清水金忠さんにビフィズス菌の特徴と認知機能の関係についての最新研究を説明していただいた。

ビフィズス菌が作る酢酸は、腸に良い働きをする

ビフィズス菌は主にヒトや動物の腸内にすむ細菌で、腸内環境を整え様々な病気を予防する。

健康によい菌としては、乳酸菌がよく知られている。乳酸菌は、糖を分解して乳酸を50%以上つくり出す菌の総称だ。それに対してビフィズス菌は、乳酸よりも多く酢酸をつくり出すという特徴がある(下表参照)。

酢酸は腸管内で様々なよい働きをすることが分かっている。例えば、有害菌の増殖抑制、腸管バリアの改善、抗炎症作用、抗メタボリック作用、O157感染防御作用、免疫グロブリンA[注1]の機能制御などだ。

「酢酸は大腸でよい働きをしますが、口から摂取すると小腸でほとんど吸収されてしまって、大腸まで届きません。大腸での酢酸濃度を一定に保つには、ビフィズス菌のように酢酸を作り出す菌の活性を高めることが重要です」(清水さん)

ビフィズス菌と乳酸菌の違い

[注1]免疫グロブリンは、血液中や体液中に存在し、抗体としての機能と構造を持つタンパク質の総称。免疫の中で大きな役割を担っている。IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類があり、「免疫グロブリンA」はこのうちIgAのこと

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