SKY-HI 「世界を取れる」BE:FIRSTデビュー曲で手応え連載 SKY-HI「Be myself, for ourselves」(30)

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「本気で世界を取りにいくグループを作る」――これは「THE FIRST」が始まる前から一貫してSKY-HIが語り続けていたこと。「BE:FIRST」を世に放った今、その言葉は「本気で世界を取れる自信が付いた」に変わった。その「自信」は何をきっかけに得たものなのか。[「BE:FIRST」や「THE FIRST」についてはこちら

マネジメント/レーベル「BMSG」を率いるSKY-HI(日高光啓)は「新しいカルチャー」を作ることを目指す(写真:上野裕二、ヘアメイク:椎津恵)

「世界を取れる自信を得たのは、シンプルに(BE:FIRSTのデビュー曲)『Gifted.』が評価を得たからです。『Gifted.』はボーイズグループのデビュー曲と言われて想像されるような、ポップさやキャッチーさはありません。

そんな曲でメジャーデビューするボーイズグループが決して『色物』ではないことを示せたと思いますし、数ある世界の音楽トレンドのなかでも聴く人に向けて媚びない方向の楽曲でデビューしたこのボーイズグループに対して、多くの人が音楽的に支持してくれていること、風が吹いていることに対して自信が付きました。僕としては『理想的なスタート』というか、『バランスに苦しまなくていいんだ』と感じたんです。

バランスとは、『作品性』と『大衆性』のバランスですね。僕自身も含めて、これまで日本のアーティストは、それに苦しめられてきたと思います。でも、今回の彼らの『Gifted.』は、作品性に振り切った楽曲が大衆性も獲得できる実例を作った。これが何よりも大きなことですし、この作品が成功したからこそ、それ以降は媚びずにポップソングが作れるようになりました。

(プレデビュー曲の)『Shining One』の後に圧倒的なポップソングを作って数字的な結果を残すことは、もちろんできました。でも、そうしてしまったら彼ら(BE:FIRST)自身に『大衆性』という言葉が付いて回ってしまうし、その後、作品性の高いものを作ったときに、そのことが『方向転換』となり、その曲が『挑戦』『色物』と位置づけられる恐れもある。このメジャーデビューのタイミングで、完全に『作品性』に全振りした曲が評価されたことは、今後の彼らの活動にとってものすごくプラスになると思います。

『Gifted.』という楽曲によって、今後、大衆性の高いポップソングを出すことも、誰に媚びることもなくできるようになったし、逆に作品性の高い歌も、彼ら自身が常に持っているアティチュードの一環として出せるようになった。そこに関しては、僕自身、今は『精神的無双状態』は感じています。作品として何でも出せる。メジャーデビューでその状態を作れたことは大きいし、彼らにもその自信を胸にどんどん成長し続けてほしいです」

一方で、BE:FIRSTは世に出たばかりであり、15歳から23歳までの平均年齢20歳程度の青少年。本気で世界を目指すにあたり、今後の課題は技術面だけではない。世界に出ていくからこそ、精神性も含めて彼らの自覚をできるだけ早く作っていかなくてはいけないとSKY-HIは考えている。特に近年、ヒップホップカルチャーに由来する男性アーティストが指摘されるのが過去の曲に内包されていた蔑称やミソジニーに関わる表現だ。

「2000~2010年ごろのラップミュージックからの影響で、危うい表現をしてしまう人の気持ちも分かります。でも、もちろん2021年の今やるべき表現ではない。彼ら(BE:FIRST)があと数年で世界的なアーティストにたどり着ける手応えを感じているからこそ、できるだけ早く彼ら自身に世界で自分たちを表現することの自覚や責任感を芽生えさせなくてはいけない。これは結構たいへんなことだと思います。

平均年齢が20歳程度のアーティストとしては、彼らはだいぶしっかりしているけど、アーティストとしてのアティチュード(姿勢、態度)、スタンスや責任感は、本来であれば何年もかけてようやく生まれてくるものだとは思います。それを、ものすごい勢いで身に付けてもらう必要がありますね」