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サプリメントは何がいい? ホルモン補充療法のリスクは?

──食生活はいかがでしょうか。更年期の女性に向けたサプリメントが各種ありますが、積極的に取り入れていいのか悩みます。

高尾 食生活では、やはりエストロゲンとよく似た働きをする「エクオール」という成分ですね。これは大豆製品に含まれる大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分が、腸内細菌によって代謝されて生み出される成分です。ただ、日本人女性の場合は2人に1人はエクオールを産生するための腸内細菌を持っていないことが分かっています。ですので、あらかじめエクオールになった状態のサプリメントが、十分にエビデンスのあるものとして扱われています。

──サプリメントとなると食品扱いですから、安心して摂取できそうです。

一方で、ホルモン補充療法ではっきりと効果が得られるなら取り入れたいところだと思います。ただ、ホルモン補充療法に消極的になる要素として、リスクを心配する声があります。

高尾 ホルモン補充療法のマイナートラブルは不正性器出血、乳房痛、片頭痛などが挙げられます。ただ、マイナートラブルが出た場合にも、投与方法や投与量で調整できます。

また、重大なリスクは大きく2つあるとされています。1つは血栓症のリスクが高まること、もう1つは乳がんリスクが高まることです。ただ、どちらもホルモン補充療法を経口薬(飲み薬)ではなく、塗り薬かシールといった皮膚から吸収させる経皮薬にすることで、血栓症の代表である心筋梗塞や、乳がんのリスクを格段に下げることができると分かっています。このことから、ホルモン補充療法のファーストチョイスは現在、経皮薬になっています。なお、ホルモン補充療法による乳がんリスクは、5年以上の継続で、飲酒を習慣的にする人のリスクと同等とされています。

3回目(「これ更年期障害? 橋本病、心臓病…見逃しがちな病気」)でもお伝えしましたが、女性ホルモンと呼ばれるエストロゲンとプロゲステロンは 、アップダウンしながら確実に下がっていきます。いずれエストロゲンがほぼない状態で生きていくことは間違いないのですが、減少する過程は緩やかであるほうが楽なはずですよね。アップダウンを緩やかに閉経に着地させる「ソフトランディング」が、ホルモン補充療法のそもそもの目的です。40代に入り、アップダウンが始まったら、ホルモン補充療法を始めていいと思います。

──根性で乗り切れるものではないですよね。

高尾 そうなんです。頼れるものには頼ってほしいですね。なにしろ、30年前に比べれば、安全性も確保されています。科学や医学が進化した今の時代だからこそ、信じて活用してほしいと思います。

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閉経後は楽になるが、それまでの生活習慣が露呈する