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日経クロステック
キャリアアップや人間関係構築、給与などの待遇面、転職や起業――。技術者の多くは、自分の働き方について様々な悩みや不安を抱えています。人事コンサルタントとして様々な企業の職場活性化を支援する天笠淳さんが、こうした不安を解消し、働く楽しみを見いだすための具体的な方法を紹介します。

副業に関する相談を受けることが増えてきました。副業といえば経済的な必要性に迫られてするもの、という筆者の感覚からすると「わざわざ他人に相談しなくても、必要なら始めればいいのでは」と思ってしまいますが、最近は副業の位置付けも変わってきたようです。

キャリア相談では「アーリーリタイアメントのために副業が必要か」「副業を自己成長に生かすべきか」といった質問も受けます。副業をそんなふうに捉えているのかと感心してしまうほどですが、筆者は「副業はしなくてはならないもの」と考えるのはお勧めしません。働き方が窮屈になり、本業にも副業にも良くない影響を与えかねないからです。

上がる副業のハードル

以前は、副業は「足りない給与を補うために、本来は休みたい休日を費やして働くこと」でした。それがここ最近、副業はキャリア開発の一環と位置付けられるようになっています。「自己成長のために副業をしなくては生き残れない」といった言葉も耳にします。

こうしたことから、副業のハードルは上がってきています。50代以上ならば「リストラに遭ったときのための経済的バックアップ」と捉える人も多いのですが、20代はそうもいかないようです。視野や人脈を広げるため、スキルを身につけるためなど、副業に多くを求めようとします。ですから副業探しも大変です。

まだ副業をしている20代は多くないので、周囲に相談もできないのでしょう。人材事業などを手掛ける学情が20代を対象に実施した調査(調査期間は2022年1月13~20日、有効回答数は317)では、副業を希望する人のうち「現在、副業をしている」と回答した人は12.2%でした。「過去に、副業をしたことがある」と答えた人は10.4%。両者を合わせると、副業経験があるのは2割ほどです。副業を希望する人の2割なので、全体で見ればもっと少ないでしょう。

筆者は「副業の始め方が分からない」という悩み相談に乗ることもあります。まずは勤務先の就業規則を調べて、そもそも副業をしてよいのか確認するところから着手しなくてはなりません。貴重な余暇を割き、本業の職場にも気を使ってまで副業をする意義があるか、よく考えてから始めたほうがよいと思います。勢いだけでスタートを切るとすぐ挫折してしまったり、本業に影響が出てしまったりすることがあります。

副業で達成感を得るのは容易でない

副業で狙い通りの成果を得るのも簡単とはいえません。先ほど紹介した学情の調査では、副業経験者の声として「収入を増やすことができた」というだけでなく、「趣味を生かした記事作成などで、収入だけでなく反響も得られた」などの意見が紹介されていました。

筆者も本業とは別に本コラムのような記事執筆を手掛けていますが、難しさを痛感しています。毎週記事を書いていても常に思うような反響があるわけではなく、大ヒットを飛ばして達成感を得られるのは一握りです。

副業の例として挙げられる仕事の多くは、本業で取り組んでも容易には成果が出せないものだと思います。本業で成功する可能性が低いからひとまず副業でやってみる、というくらいの心持ちがよいのではないでしょうか。それくらい気軽に取り組めることが副業のメリットだと感じます。

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