映画『SING』のアニメスタジオ ヒット連発の秘密

日経エンタテインメント!

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3月18日公開のアニメ映画『SING/シング:ネクストステージ』は、2017年に日本で公開された『SING/シング』の続編だ。

バスター(中央の一番前のコアラ)、アッシュ(バスターの右隣のヤマアラシ)、ロジータ(アッシュの右隣のブタ)、グンター(バスターの左後ろのブタ)など前作と同じメンバーがずらり (c)2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

『SING/シング』シリーズの舞台となるのは、動物たちが人間のように暮らす世界。前作では、コアラの劇場支配人バスターが取り壊し寸前の劇場を救うため、歌唱オーディションを開催。悩みを抱える動物たちが人生を変えようとオーディションに挑んだ。

動物たちが歌った曲はフランク・シナトラ、ザ・ビートルズ、ビヨンセ、レディー・ガガなどオールディーズからヒットナンバーまで85曲以上。声を担当したリース・ウィザースプーンやスカーレット・ヨハンソンらがパワフルに歌い上げた。配給する東宝東和では「歌を含めて日本語吹き替え版を作ろう」と考えたが、世界的に吹き替えはセリフのみ。歌の吹き替えに難色を示すプロデューサーを数カ月にわたり説得し、全世界で日本のみ歌の吹き替え版が実現した。

吹替版のクオリティーを高めるため、吹き替え版音楽プロデューサーに、ゆずやSuperflyなどをプロデュースする蔦谷好位置氏、音響監督(吹き替え版の演出)に『ポケットモンスター』シリーズなどを手がける三間雅文氏を起用。2人が中心となり、主人公バスター役の内村光良(ウッチャンナンチャン)をはじめ、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥(スキマスイッチ)、斎藤司(トレンディエンジェル)ら役柄に合う人物を選出した。観客数の大半は吹き替え版が占め、興行収入51.1億円の大ヒットを記録した。

新作『ネクスト・ステージ』でも同じスタッフとキャストが再集結した。劇場支配人バスターの次なる夢はエンターテインメントの聖地レッドショア・シティでの公演。仲間たちと飛び込みでクリスタル・タワー劇場のオーディションに参加する。プリンス、エルトン・ジョン、ビリー・アイリッシュなどの曲が歌われ、新作でも歌の日本語吹き替え版が作られた。

中央の白髪のライオンが伝説のスター、クレイ・キャロウェイ。オリジナル版ではU2のボノ、日本語吹き替え版ではB'zの稲葉浩志が声を担当している (c)2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
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スタジオの候補地には日本も