「プログラミング的思考」を養う

ソフトバンクグループがPepper社会貢献プログラムを開始した背景には、20年度から始まった小学校のプログラミング教育の必修化が大きく関係している。プログラミング教育の狙いは、自分が意図する一連の活動を実現するための「プログラミング的思考」を養うこと。プログラミング的思考とは、どのような動きの組み合わせが必要で、それらの組み合わせをどのように改善していけば、意図した活動により近づくのかを、論理的に考える力である。

このプログラミング的思考を養う学習に、「ペッパーを活用できると考えた」(長﨑氏)という。ペッパーの最大の特長は社会実装できるプロダクトとして開発されていること。またペッパーは小学2年生の平均身長とほぼ同じ約121センチメートルで、親しみやすいキャラクター性、認知度の高さもある。

「実際に街で見かけるペッパーを子供たち自身で動かせることが、プログラミング教育に取り組むモチベーションになる。自発的なチャレンジを誘発してくれる良い教材という評価をもらっている」と長崎氏は言う。

教育現場でペッパーを活用しやすくするための3つの仕掛けも用意した。

1つ目は日本の教育現場で圧倒的なシェアを持つビジュアルプログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」をベースに、Pepper社会貢献プログラム用に開発した「Robo Blocks(ロボブロックス)」を用意していること。ロボブロックスは文字で役割が書かれたブロックをドラッグ・アンド・ドロップでつなぎ合わせていくだけでプログラムが作成できる。さらに、バーチャルロボット機能により、画面上でペッパーが正しく動作しているかを容易に確認できるようになっている。

ロボブロックスの画面。スクラッチ同様、ドラッグ・アンド・ドロップでブロックをつなげていくだけ。バーチャルロボット機能でペッパーの動きを確認できるのも使いやすい点だ

2つ目は教師をサポートする教材を用意していること。「ペッパーの取り扱い方やロボブロックスの使い方などを解説した250ページにも及ぶ教師用指導書や、専用サポートサイトを用意し、シームレスにペッパーを授業に組み込んでいく方法を伝授している」(長﨑氏)。このような教材についても「今後ますます拡充させていく予定」と長﨑氏は語る。

250ページにも及ぶ教師用指導書。IT(情報技術)にあまり強くない教師にも優しく書かれている
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成果を発表する場を用意