Amazon「Kindle」 電子書籍の愛好家が支持する理由戸田覚の最新デジタル機器レビュー

2021年11月に登場した電子書籍リーダーの新製品「Kindle Paperwhite」。価格は1万円台半ばと手ごろだ

米アマゾン・ドット・コムの電子書籍リーダー「Kindle」は、とても人気がある。電子書籍を読む機能は、iPadやスマートフォン向けの「Kindleアプリ」とほとんど変わらない。にもかかわらず、電子書籍好きの多くが専用機であるKindleを使っているのはなぜだろう? 今回は2021年11月に登場した新製品「Kindle Paperwhite」を例に、その魅力をチェックしていく。

紙と同じく目に優しいディスプレー

Kindle PaperwhiteをはじめとするKindleシリーズのディスプレーは液晶パネルではなく、「E-Ink」とも呼ばれる電子ペーパーだ。反射率やコントラストが紙に近く、文字をくっきり表示できるのが特徴だ。このためKindleはあたかも紙のように文字を表示できる。バックライトなしでも文字を読めるのも紙と同じだ。

一方、iPadのディスプレーは液晶パネルでバックライトを点灯して文字を表示する。最近のiPhoneやスマホが採用する有機ELも、映像素子が発光して文字を表示している。どちらも白い部分は光を見ることになるので、紙の本と違って目が疲れやすい。

右のKindle Paperwhiteは輝度を最小にしても問題なく文字を読める。これに対して左のiPad Pro(11インチモデル)は文字がほぼ見えなくなる

Kindleは紙と同じように反射光で文字を読むので、目の疲れ方は紙とほぼ同じだ。暗い場所では画面を光らせることができるが、これはバックライトではなくフロントライトによるもの。つまり正面から光を当てているわけだ。

日中、明るいところで電子書籍を読もうと思ったら、iPadだとディスプレーの輝度を最大にしなければならないが、それでも見やすいとは言いがたい。ところがKindleなら普通に反射光で読める。ここが電子書籍リーダーにKindleを使う最大の理由の一つだ。1度使うと離れがたくなる。

文字を読みやすい輝度にiPadのディスプレーを調整した。この時点でも画面は光っている
両者とも輝度を最大にした。iPadはまぶしすぎると感じることもあるだろう
Kindle Paperwhiteのフロントライトは暖色系に切り替えられるので、部屋の明かりにあわせて調整しよう
次のページ
モノクロ表示だけで反応も遅い