毎晩飲む人は要注意 「慢性膵炎」で膵臓がカチカチに

日経Gooday

長年にわたる多量飲酒が原因で「慢性膵炎」になると、膵臓はカチカチに硬くなる。(写真はイメージ=123RF)
日経Gooday(グッデイ)

晩酌は毎日欠かさないという人が気をつけたい病気が、「慢性膵炎」です。長年にわたって毎日のように多量飲酒を続けていると、膵液が膵臓自体を徐々に溶かしていき、腹部に痛みを生じる慢性膵炎になるリスクが高くなります。しかも、慢性膵炎が進行すると膵がんにかかるリスクも格段に高くなります。慢性膵炎になりやすい人の特徴や、治療などについて、酒ジャーナリストの葉石かおりさんが帝京大学医学部附属病院肝胆膵外科教授の佐野圭二さんにお話を伺いました。

◇   ◇   ◇

膵臓が、自ら分泌する膵液でドロドロに溶け、突然激しい痛みに襲われる「急性膵炎」。

前回の記事(「背中に激痛が走る『急性膵炎』 発症したら一生断酒?」)でお伝えした急性膵炎の痛みは想像を絶するもので、痛みのあまり悲鳴を上げてのたうち回ってしまうそうだ。何とも恐ろしい……。

「たくさんお酒を飲むと、アルコールの影響で膵液に含まれる消化酵素が膵臓内で活性化し、急性膵炎を引き起こす原因になります。また、胆石が膵液の出口を塞いでしまうことでも、急性膵炎になる場合があります」と説明するのは、帝京大学医学部附属病院肝胆膵外科教授の佐野圭二さん。

最も恐ろしいのは、「急性膵炎を発症したら、その後は断酒しなければならない」ということだ。アルコールが原因で急性膵炎を発症した人のうち、およそ半数は再発するといわれており、そのほとんどが断酒できなかったためではないかと考えられる。そして、急性膵炎を繰り返すと、1割程度は「慢性膵炎」に移行するという。

慢性膵炎は、「慢性」というだけあって、一度発症したら生涯付き合っていかなければいけないのだろうか? どのような治療が必要になるのだろうか。引き続き、佐野さんに解説していただいた。

次のページ
毎日飲み続けると「慢性膵炎」のリスクが上がる!