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松山ケンイチさん 俳優を神聖視せず「3つの目」駆使

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NIKKEI STYLE

秋ドラマが出そろいました。『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の好発進が話題になるなか、日曜劇場『日本沈没-希望のひと-』(TBS系)の視聴率も好調さを維持しています。

このドラマは、小松左京による不朽の名作『日本沈没』(1973年)をアレンジし、2023年の東京を舞台に「関東沈没」という危機が迫るなかで見いだしていく「希望」をテーマにした物語です。

ドラマの中で、首相が発足した「日本未来推進会議」に経済産業省の代表として参加している、常盤紘一を演じているのが松山ケンイチさんです。常磐は大手財閥の父を持つことから産業界にも顔が利く有力な若手官僚で、日本未来推進会議では議長を務めています。

松山さんが演じる常盤の風貌や立ち居振る舞い、発する言葉からにじみ出る人物像は、いかにもデキそうな若手エリート官僚そのものです。私生活では自然豊かな地方に移住していることで知られている松山さん。その自然派とは程遠い都会の中心で高級なスーツを着てスマートに業務をこなすキャリア官僚になりきる姿からは、「変幻自在」な俳優としての風格が漂っているように感じます。

そもそも松山さんは、硬派な役からユーモアあふれる役に至るまで、多岐にわたる役柄を演じ分けることから「カメレオン俳優」とも称される俳優です。変幻自在に自らを操り、ドラマや映画で新たな魅力を見せてくれます。役作りに向けた体重の増減も変幻自在です。難病と闘い29歳の若さで亡くなった実在の棋士を演じた映画『聖の青春』(2016年)では、20キロも増量して見た目が別人化し、多くの観客を驚嘆させました。

おそらく視聴者の多くは、そんな松山さんについて、役者という職業が天職であり、自分とは全く異なる人物になりきる「憑依(ひょうい)型」の俳優である――そうした印象をお持ちだと思います。実際、私自身もずっとそう感じていました。

父の仕事ぶりに畏敬の念

ところが、少し前に仕事観をテーマにした松山さんのインタビュー(タウンワークマガジン、2016年)を読み、そうしたイメージは払拭されました。好きでやっていることと前置きした上で、「俳優の仕事は生活のためだと思っています」と語っていました。俳優という仕事を「神聖化したくない」とも話していて、それがとても印象的でした。

そのとき、トークバラエティー番組『しゃべくり007』(日本テレビ系、2009年)でのあるエピソードを思い出しました。

それは、松山さんのお父様に関する内容です。新聞配達をされており、毎朝3時に起きて、新聞配達に4~5時間いそしむ生活を続けてきたそうです。松山さんはその事実に触れ、毎日同じようにしっかりと勤め上げているお父様の仕事ぶりに対して「自分にはまねできない」と畏敬の念を隠さずに述べていました。また、新聞配達という職業をリスペクトしていることを明かしていました。

当時の松山さんは24歳の若手俳優です。その軸の定まり方とバランス感覚からは、いずれ実力派俳優として確固たる地位を築きあげるであろうポテンシャルの高さを感じさせられました。

バランス感覚と「鳥の目、虫の目、魚の目」

人はどうしても自分自身の職業を特別視しがちです。もちろん、自分の人生では自身が主人公ですから、自らの仕事に誇りと自負を持つことは大切なのだと思います。しかし、自分とその周囲の世界だけにこだわりすぎてしまうと、いつのまにやら視界が狭くなりかねません。すると、いざ仕事をする際も、バランス感覚に欠けた価値観と判断力のもとで、業務を進める事態になってしまいます。

よく経営者には「鳥の目、虫の目、魚の目」が不可欠であるといわれます。鳥の目とは、空を飛ぶ鳥のように高い所から俯瞰(ふかん)して物事や事態を見渡すこと。虫の目とは、小さな虫のように細部に近づき、細かく実態を探ること。魚の目とは、魚のように潮の流れを知り、時代の流れや時系列の出来事を把握すること。

つまり、(1)大局的な見地に立ち、マクロ的かつ俯瞰的に見回しながら大きな方向性について判断する(2)現場でミクロの視点から足元の実態を細かく把握する(3)全体の流れを読む、ということです。

これらは経営者に限らず、多くのビジネスパーソンにとって欠かすことのできない視点であるといえます。

松山さんも、お父様の職業をリスペクトしつつ自身の職業だけにとらわれない鳥の目の視点で社会全体を見渡し、虫の目を駆使して細かな役作りを実践されてきました。

俳優を続ける第一条件は健康

魚の目については、先述のインタビューから読み取ることができます。松山さんは、俳優という仕事の幅広さと正解の出ない特性について触れた上で、曖昧ななかで仕事を続けていくための第一条件は「健康である」こととしています。それは、健康でないとどんな仕事もできないからと説明していました。

つまり、仕事を長く続けるためには健康が一番と魚の目で認知し、日々、体調管理に励み続けているのです。

鳥の目で社会・業界全体を見渡し、虫の目で自身の業務を掘り下げて実践し、魚の目で長いスパンにおける仕事への励み方を意識する――。これら3つの目は、まさにあらゆる職業で必要な視点であるといえます。

今後、松山さんがこうした3つの目を駆使しながら、どのような躍進を遂げていくのか……。様々な作品を通じてその成果を確認しつつ、自分自身も3つの目を意識しながら、複眼的な視点と行動のもとに精進していきたいものです。

鈴木ともみ
 経済キャスター。国士舘大学政経学部兼任講師、早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員。JazzEMPアンバサダー、日本記者クラブ会員。多様性キャリア研究所副所長。地上波初の株式市況中継番組を始め、国際金融都市構想に関する情報番組『Tokyo Financial Street』(STOCKVOICE TV)キャスターを務めるなど、テレビ、ラジオ、各種シンポジウムへ出演。雑誌やニュースサイトにてコラムを連載。近著に「資産寿命を延ばす逆算力」(シャスタインターナショナル)がある。

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