Macと同等の性能を備えた第5世代iPad Air

今回のイベントの2つ目の発表はタブレット端末のiPad。ミッドレンジに位置付けられる「iPad Air」の新製品となる、第5世代のiPad Airを発表した。こちらも第3世代iPhone SEと同様、性能の強化が最大の売りだ。

デザインやディスプレーサイズ、インターフェースなどは前機種の第4世代とほとんど変わっていない。あえて違いを言うなら、「スペースグレイ」以外の4色の本体カラーの色味がやや変化したぐらいだ。

第5世代の「iPad Air」。こちらも外観は第4世代とほとんど変わっていないが、中身は大きく進化した

だが、中身はかなり大きく変わった。その理由は搭載するチップセットにある。これまでのiPad AirはiPhoneと同じ「A」シリーズのチップセットを搭載していた。第4世代だとiPhone 12に搭載されていたA14 Bionicだ。

これに対して、第5世代iPad AirはAシリーズに替わって「iMac」や「MacBook Air」などのパソコンに搭載されている「M1」を採用してきた。

これはiPad AirがMacと同じ処理性能を手に入れたことを意味する。第5世代iPad Airは第4世代と比べてCPU(中央演算処理装置)の処理性能が60%速く、GPU(画像処理半導体)の処理性能に至っては2倍に高速化したという。動画編集や3次元(3D)ゲームなど、重いアプリも快適に動くだろう。

チップセットに高性能の「M1」を採用したことで、拡張現実(AR)や仮想空間「メタバース」の利用がより快適になると考えられる

加えて第3世代iPhone SE同様、「Wi-Fi+Cellularモデル」は5Gに対応し、外出先でも高速通信できるようになった。処理性能の強化と合わせてiPadシリーズの利用シーンをより広げようというアップルの狙いが読み取れる。

ただ、その分こちらも価格がアップしている。最も安価な64GBのWi-Fiモデルは7万4800円。第4世代は発売当初6万9080円だったので、iPhone SEほどではないがこちらもいささか買いづらくなった。

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