かたまり 『でっけぇ風呂場で待ってます』の脚本は、自分たちが普段は演じないものを書くことで、コンビの活動に還元できることも出てくるのかなと思いました。それが何かはまだ分からないけど、また脚本を書ける機会に恵まれたら、楽しく、やれる範囲で取り組んでいきたいです。
もぐら 『日本沈没』は恐縮です(笑)。ドラマの演技とコントの演技は別物ですから、難しいんですよ。やっぱり俳優さんは比べものにならないくらい、抜群にうまい。コントって「ここの演技は無視していいな」っていう部分があるんですけど、俳優さんはそんなわけにいかないですもんね。でも、コントの人のところにオファーいただけたということは、今までやってきたことの延長でもいいのかなとは思ってます。

「#ビジュ爆発」に困惑
大きく飛躍したことで思わぬ反応も。これまでもTikTokではかたまりの“イケメン”や“照れカワ”画像が、「#ビジュ爆発」のハッシュタグ付きでファンから投稿されることがあったが、『キングオブコント』優勝後にはそれが一般ユーザーにまで広がり、かたまりが困惑する様子がラジオ『空気階段の踊り場』で放送された。
かたまり 本当に勘弁してほしい。ああいう取り上げられ方をすると、面白くないヤツみたいに見えるじゃないですか。TikTokをきっかけにコントを見てくれるようになったらいいんですけど、そうなる画は全く見えないし(笑)。
もぐら まあね。“ビジュ”が爆発して新規の方が来てくれたらうれしいし、どんな入り口からでも歓迎ですよ。でも、中高生の頃の僕があの動画を見たとしたら、空気階段のコントは見ないと思います(笑)。今、あれを本気でカッコいいと思っている人と、イジってる人がどれくらいの割合で存在するのかが気になりますね。
かたまり 実態がつかめないんですよ。未開の地なんで。
もぐら 我々も引き続き調査していきたいと思ってます。「#ビジュ爆発」勢がワタクシもぐらに危害を加えるようなことがあれば、全力でつぶしますけど(笑)。
コントで日本一に輝き、自分たちのやりたいことをさらに実現していける可能性が高まった。22年はどんな年にしたいか。
かたまり 大好きなラジオに引き続き力を入れていきますし、また22年も単独ライブをやりたいと思ってます。21年よりも大きい規模で考えているので、それをいいものにしたいなと。1番の目標だった賞レースは優勝して卒業できたので、本当に楽しくやりたいですね。『キングオブコント』に向けては、正直、キリキリしていた部分もあったんで。
もぐら 今までそこに割いていた時間も、全部単独ライブに使えるので、没頭して作りたいです。
かたまり 『空気階段の空気観察』も、どんどん僕らの意見を取り入れてもらえるようなので、スタッフさんとすり合わせながら面白いものにしていければ。
もぐら スタッフさんたちも新鋭の方なので、僕らの世代でやっていきたいって感じですね。ずっと方向性が定まらない可能性もありますけど(笑)。
鈴木もぐら(左)1987年5月13日生まれ、千葉県出身。水川かたまり(右)1990年7月22日生まれ、岡山県出身。3月31日まで、第5回単独公演『fart』全国ツアーを開催。配信チケットも発売中。吉本興業所属。
(ライター 遠藤敏文)
[日経エンタテインメント! 2022年1月号の記事を再構成]