この「擬似プロ審査」ではRUI(現BMSGトレーニー)のステージでの輝きも一際目立っていた。視聴者側の立場からは、パフォーマンス後、本人がステージでの自分自身の表現に驚いているようにも見受けられた。
「テンションやパッションが強く出ることが、パフォーマンスにいい影響を与えないパターンが多いなか、RUIはそれらが強く出ることが、いい方向に出ていた。あれはすごかったですね。彼の場合、遅かれ早かれああいった姿が見られるとは思っていたので、うれしいですけどね。しかも、天性のものだけでなく、ちゃんとパフォーマンスしているんです。
分かりやすくいうと『集中力』なんじゃないかと思います。小学生の頃に好きな音楽ができて踊り狂ったみたいな経験ってあるじゃないですか。そういった音楽に対するテンションをその後もずっと持ち続けられるかということでしかない。この場合、大事なのは、誰かに『伝えようとする気持ち』ではなく、『感じる心』。そういった感性は閉じ込めないことが大事だし、感性さえあれば時間が足りなくても技術は伸びる。そこはすごく意識していました。
僕、SNSなどでも“SKY-HIのお気に入りはRYUHEI”とか言われてるんですけど(笑)、RYUHEIはお気に入りなどというものではなく、シンプルに合宿開始段階でもう頭1つ抜けた可能性を感じさせてくれた存在。そして、成長曲線も明確に見えました。だから、正当な評価をしているだけなんですよ。でもRUIに対しては、今彼が持っているスキルや意識以上の評価を自分の中に持っているかもしれませんね。それが正しいかどうかは5年後に判断してください」
SKY-HI(日高光啓)
『八面六臂(はちめんろっぴ)』 1986年12月12日生まれ、千葉県出身。ラッパー、トラックメイカー、プロデューサーなど、幅広く活動する。2005年AAAのメンバーとしてデビュー。同時期からSKY-HIとしてソロ活動を開始。20年にBMSGを設立し、代表取締役CEOに就任。9月1日から『Dive To World feat. Takuya Yamanaka(THE ORAL CIGARETTES)』配信中。10月27日には約3年ぶりのオリジナル・アルバム『八面六臂(はちめんろっぴ)』をリリース。アルバムには、「THE FIRST」に参加し、現在BMSGに所属するAile The ShotaやRUI、REIKOらをフィーチャリングした楽曲も収録する。

【過去の記事一覧と「BE:FIRST」についてはこちら】
(ライター 横田直子)