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『青天を衝け』主演の吉沢亮さん 発揮した「と」の力

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NIKKEI STYLE

吉沢亮さん主演のNHK大河ドラマ『青天を衝(つ)け』が佳境を迎えています。このドラマは、日本の資本主義制度、実業界を設計した渋沢栄一の一生を描いた物語。渋沢栄一は、幕末から明治へと変化する激動の時代に翻弄されながらも、「真正の利殖は仁義道徳に基づかなければ、決して永続するものではない」との理念を掲げました。また、「皆が幸福である」という近代日本のあるべき姿を求め続けた人物です。晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度も選ばれています。

年齢を重ねていく渋沢栄一を熱演

今でこそ日本の資本主義の父とも呼ばれた人物として、その功績が広く知られるようになりましたが、「2024年度から新1万円札の顔となる」というニュースが流れた19年4月の時点では、財界人らビジネスパーソンはさておき、子どもたちも含めた一般的な知名度はそう高くありませんでした。しかし、大河ドラマをきっかけに、日本を代表する偉人の1人としての認知を得たのではないでしょうか。

その背景には間違いなく、渋沢栄一を演じた吉沢亮さんの熱演があるように思います。吉沢さんは27歳ながら、青年時代から年齢を重ねていく渋沢栄一を見事に演じています。

『青天を衝け』がスタートした当初、若年層のファンを持つ若手人気俳優としての吉沢さんの知名度は高かったのですが、大河ドラマ好きとされる中高年男性層の支持を得る俳優さんとは言い難い存在でした。それが、放送回を追うごとに世代や性別を問わず「渋沢&吉沢ファン」が増え続けました。

最終回は12月26日の予定ですが、ツイッターでは早くも「渋沢ロス&吉沢ロスになりそう」との声が数多く挙がっています。

「と」の力が備わっている

この大河ドラマでは、渋沢栄一に多大なる影響を与えた人物の1人として、草彅剛さんが演じる第15代将軍の徳川慶喜が登場します。第1話の冒頭シーンは、渋沢栄一が仕官の意志や自身が抱えている思いを慶喜に伝える場面から始まりました。

当時のツイッターでは「渋沢栄一と徳川慶喜の物語になりそう」との声もあがっていましたが、まさに、栄一「と」慶喜の固い絆の物語でもあったように思います。

ここで、「と」を強調したのには、理由があります。実は、渋沢栄一のやしゃごにあたるコモンズ投信会長の渋沢健さんは、「渋沢栄一の原点は『と』の力にこそある」と主張されているのです。

渋沢さんには私が担当する金融・経済情報番組に何度かご出演いただきましたが、渋沢栄一の『論語と算盤(そろばん)』の思想のもとに、ある1つのメッセージを発信されています。「論語『と』算盤は、未来に進んでいる車の両輪であり、たとえ異分子であっても、『と』の力で合わせることの試行錯誤を繰り返せば、ある時、ある条件が整っていたら、新たなモノの創造、つまりクリエーションへとつながる可能性がある」というメッセージです。

たとえ異分子であっても融合させることで新たなクリエーションへとつながる「と」の力。実は、この「と」の力は、渋沢栄一を演じた吉沢さんにも備わっている力であるように感じます。

吉沢さんは、「草彅さんとの芝居は、お互いから出る『生のもの』をその場でキャッチボールするような感じ」とインタビューで答えています。尊敬する先輩俳優との共演のなかで、相手とキャッチボールする感覚で相手の力も借りながら、ひとつひとつのパフォーマンスを成立させていく……。吉沢さんはそうした「と」の力を大切にしながら渋沢栄一を演じ続けてきたのです。

20代後半の吉沢さんは、仕事人として吸収力抜群の時期です。役者としてベテランの域に入っている草彅さんから刺激を受け、相手の持つ力と自身の持つ力を融合させ、より高みを目指したい――。そうした姿勢が、あの渋沢栄一とはまさしくこういう人物だったと思わせるような迫真の演技につながっているのではないでしょうか。

融合と調和の力を発揮

この他者の力を融合させ、「と」の力を生かしながら仕事を進める姿勢は、20代のビジネスパーソンにとって特に重要であるように思います。新人時代は仕事内容を覚え、業務をこなすだけで必死な時期です。仕事のペースをつかみ始めた20代後半は、上司や先輩からの力を借りつつ、良い刺激を受けながら「融合と調和」の力を体感することが大切です。

この体感は30代以降の個人のスキルへと必ず還元されます。吉沢さんも、草彅さんだけでなく、多くの俳優さんたちと共演するなかで先輩の力を借りつつ、良い刺激を受けながら「融合と調和」の威力を発揮できている――。だからこそ、視聴者からの高評価が継続しているのではないでしょうか。

この勢いは最終回まで続くことと思います。その4日後の12月30日には、東京証券取引所で大納会が行われます。東京株式市場の年末の最終取引日に行われ、年内最後の取引を締めくくるイベントです。打鐘のセレモニーでは、その年に話題となったキーパーソンがゲストとして、取引終了の鐘を鳴らすのが恒例となっています。今年は渋沢栄一を演じた吉沢さんが選出されました。まさに1年を締めくくる大役としての人選です。

東京証券取引所がある日本橋兜町は渋沢栄一が築き上げた街であり、東京株式取引所(現東京証券取引所)を設立しました。渋沢栄一ゆかりの地にて吉沢さんが打つ鐘の音は、きっと趣あふれる響きを奏でてくれることでしょう。その音色に耳を傾けつつ、21年の様々な出来事を振り返りながら、新年が明るく幸せに満ちた1年になるよう心からお祈りしたいと思います。

(おわり)

鈴木ともみ
 経済キャスター。国士舘大学政経学部兼任講師、早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員。JazzEMPアンバサダー、日本記者クラブ会員。多様性キャリア研究所副所長。地上波初の株式市況中継番組を始め、国際金融都市構想に関する情報番組『Tokyo Financial Street』(STOCKVOICE TV)キャスターを務めるなど、テレビ、ラジオ、各種シンポジウムへ出演。雑誌やニュースサイトにてコラムを連載。近著に「資産寿命を延ばす逆算力」(シャスタインターナショナル)がある。

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