自己投資を惜しまない層がターゲット
ザ バーニング最大の特徴は「健康に良い成分が含まれていること」。具体的には機能性関与成分を配合した機能性表示食品であることだ。
機能性表示食品は特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行うわけではない。このため、ダイドーは機能性に関する研究論文を集め、総合的に検証する研究レビューを実施。茶カテキンには、BMIが高めの人の「内臓脂肪を減らす」機能があることを確認した上で採用した。中でも、豊富な研究データに基づく知見を持ち、「ヘルシア」シリーズで実績もある花王の茶カテキンを活用したことは、製品開発のスピードアップや製品の信頼性につながった。トクホではなく機能性表示食品での販売を決めたのは、開発期間を短縮し「早くお客様に届けるため」(香川氏)という側面もあったという。
ターゲットは30~50代の男性。「購買力が高く、自己投資を惜しまない。仕事にも熱心で、自分を高めるという意味でも健康に気を使っている層」(香川氏)と想定している。
「20~30代に支持されるエナジードリンクは、それより上の層には自分向けの商品ではないと思われている可能性があるのではないか。特に上の年代層の方の健康意識が高まる傾向にあるため、ザ バーニングは全くの新カテゴリーとして、30~50代までの男性のニーズに応えられると考えている」(香川氏)
同社には健康食品の開発を行うファンケルと共同開発し、16年に初登場した「大人のカロリミット」茶シリーズや、各種サプリメントも存在する。同シリーズは女性の利用者が多いが、今回は男性をターゲットにどれくらい市場を拡大できるかが気になるところだ。

花王はヘルシア譲りの素材を販売へ
一方、ザ バーニング発売の背景には花王の戦略もある。花王は21年9月から、「ヘルシア」シリーズの機能性表示食品の原料として使用している花王独自のポリフェノール素材、「茶カテキン」と「コーヒー豆由来クロロゲン酸類」の販売を開始した。機能性表示食品届け出のためのデータ提供やサポートも行うという。
ザ バーニングは、その商品化の第1弾となる。「ヘルシア」で培われたノウハウや豊富な研究データに基づく知見を生かしてポリフェノール素材提供、機能性表示食品届け出の業務サポート、製品開発サポートなど、広範囲のソリューションサービスを提供した。ダイドーとの発表会に登壇した花王 ケミカル事業部門統括 片寄雅弘氏は「外販に関し、すでに他社からも問い合わせを受け、開発を進めている」とした。
(フリーライター 山田真弓)
[日経クロストレンド 2021年9月30日の記事を再構成]