飲まなくても問題ないけど、飲み続けると「お得」な飲料?

前回、今回とコーヒーの健康効果について見てきたが、ポリフェノールをはじめとした、コーヒーに含まれる成分が病気リスク低減に強く関わっているようだ。日常的に摂取し続けることで、さまざまな効果が期待できる、健康維持のための心強い飲み物といえる。
「コーヒーの面白さは、ビタミン類やたんぱく質のように、栄養素ではないところ。“とらなくても死なないけど、とっていると非常にお得”というところだと考えています」(福島さん)
カフェインの影響を考えて夕方以降のコーヒーは控えている人も、コーヒーと同様にポリフェノールを豊富に含むデカフェを飲むと、寝ている間にもコーヒーポリフェノールが抗酸化作用を発揮してくれるといえる。
もちろん、コーヒーの健康効果を担うのは、コーヒーポリフェノールだけではない。次回は、カフェインと認知症などとの関わり、カフェインのとり方の注意点について聞いていく。
(ライター 柳本操、グラフ制作 増田真一)
福島洋一さん
ネスレ日本ウエルネスコミュニケーション室室長。東京農工大学農学部農芸化学科卒業、同大学大学院修了後、ネスレ日本入社。農学博士。ネスレ中央研究所(ローザンヌ)、ネスレリサーチ東京R&Dプロジェクトマネージャーを経て2010年より現職。主にコーヒーや抹茶の機能性研究に取り組む。人間総合科学大学非常勤講師。
