日経Gooday

実際に、ポリフェノール摂取量と健康との結びつきを示す研究が報告されている。

35歳以上、約3万人を対象に1992年から行われている「高山スタディ」において、「総ポリフェノール摂取量が多くなるほど総死亡リスクや脳卒中リスクが低くなる」という結果が2019年に報告された(下図)。日本における食事中のポリフェノール摂取量とその影響を示した初めての興味深い研究だ。

ちなみにこの報告でポリフェノール摂取量が最も多い群の1日あたりのポリフェノール摂取量は、952mg以上。コーヒーのみで換算すると、1日あたり3杯相当と、現実的な量だ。

なお、同じ高山スタディでは、コーヒーそのものについても調査が行われている。コーヒー1日1杯以上の摂取が総死亡、心血管疾患、感染症、消化器疾患による死亡と逆相関することが2020年に発表された[注1]

「ポリフェノールの豊富なコーヒーが日本人の死亡リスクの低下と関連しているということはほぼ確実、と言える程度にエビデンスが蓄積されています」(福島さん)

ポリフェノール摂取量が多いほど総死亡、心血管疾患、脳卒中リスクが下がる

岐阜県高山市の2万9079人の住民を対象に行った平均14.1年の追跡調査。追跡期間中に5339人が死亡した。食事調査から食事中のポリフェノール摂取量を求め、4群(Q1~Q4)に分けたところ、ポリフェノール摂取量が最も少ない群(Q1:502mg以下)と比較して、最も多い群(Q4:952mg以上)は、総死亡、心血管疾患リスクが有意に低下、なかでも脳卒中による死亡リスクとの強い関連性が示された。その他、消化器疾患による死亡リスクにも逆の関連が見られた。(データ:Eur J Nutr. 2020; 59(3): 1263-1271.より作図)*p<0.05

[注1]Public Health Nutr. 2020 Jan;23(1):189-191.

コーヒー摂取は糖尿病リスクを下げる強力な因子となる

もう一つ、注目すべきは、コーヒー摂取と糖尿病の関係だ。

「近年、数多くの研究をさらに一つにまとめて解析する研究手法(メタ解析)が広がっています。コーヒーと糖尿病に関して、2つの興味深い研究が報告されています」と福島さん。

一つは、「コーヒーは2型糖尿病のリスクを下げる強力な因子となる」というもの(下図)。コーヒーは、糖尿病予防のために推奨されている「運動」や「全粒穀物の摂取」と同じレベルで、「リスクを下げる因子」となっている。「当然ながら、糖尿病リスクを上げていくのは肥満やメタボリック症候群などであると示されています。一方で、コーヒーはリスクを下げる因子のトップ3に入っているのです」(福島さん)

コーヒーは運動並みに糖尿病リスクの低下と関連

2型糖尿病の危険因子に関する86の研究をまとめて、幅広く解析。その結果、糖尿病リスクを上げる因子は肥満、メタボリック症候群などだったが、反対にリスクを下げる因子としてコーヒーは運動や全粒穀物と同じレベルで寄与している可能性がある。(データ:PLoS One. 2018 Mar 20;13(3):e0194127.より作図)