2つ目のテーマは「日本製ゲームの反応」について。ほとんどの地域で、長年日本のゲームが浸透しているようだ。とりわけ中国・ドイツ・ブラジルでは、任天堂の影響が大きく、子供の頃や最初のゲーム体験が「日本製のゲームだった人も多い」と語られた。

昔からの根強い人気があると同時に、テクノロジーの進化により、日本製のゲームに触れる機会も増えている。米国では『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『ELDEN RING(エルデンリング)』といった日本製ゲームの大作が注目を集めている。

「モバイルコンソールでは、日本のゲームが入るこむ余地がふんだんに残されている」と話すのは東南アジアの編集者。『鬼滅の刃』『僕のヒーローアカデミア』などの人気漫画が原作なら、なおその可能性は広がるようだ。

Bokeh Game Studio代表の外山圭一郎氏。コナミ所属時に『サイレントヒル』を、ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)所属時には「SIRENシリーズ」「Gravity Dazeシリーズ」を手掛けた

世界各国の動向を受け、外山氏は「グローバル化の影響下で、日本のトレンドとも近い部分が多い」と感想を述べた。安田氏も日本で『FORTNITE』や『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』などが人気となっており、世界とトレンドが重なっている印象を抱いたようだ。

「龍が如く7」が米国で人気な理由とは

3つ目のテーマは「最近話題になっている日本の作品」。複数の地域で名前が挙がったのは、『エルデンリング』『FINAL FANTASY VII REMAKE(ファイナルファンタジーVII リメイク)』『モンスターハンター:ワールド』『バイオハザード ヴィレッジ』『Tales of ARISE(テイルズ オブ アライズ)』などだ。

『FINAL FANTASY VII REMAKE』や『バイオハザード ヴィレッジ』では、キャラクターに愛着を感じている人が多い。シリーズを通して根強い人気につながっている。「『FINAL FANTASY VII REMAKE』では、クラウドやティファの物語が、新しいコンソールでどのように生まれ変わるか楽しみにしている」(ドイツ編集部)

「(『バイオハザード7』をプレイ済みのゲーマーは)『ヴィレッジ』でイーサンとクリスに何が起きるのか楽しみにしていた。今は『バイオハザード9』を期待している」(米国編集部)

米国では『龍が如く7 光と闇の行方』も人気のようだ。ドラマチックな物語展開や風変わりなユーモアが受けているという。米国ではストーリー性を重視する人が多く、日本の高校生活を味わいながら敵と戦える『ペルソナ4』『同5』のほか、「ニーア」シリーズなどを手掛けた横尾太郎氏の作品は興味深いエンディングや尖ったユーモアで好評だそうだ。

コーエーテクモゲームス執行役員/Team NINJA ブランド長の安田文彦氏。「NINJA GAIDEN」シリーズの企画・ディレクターを務め、『仁王』ディレクター、『仁王2』プロデューサー・ディレクターなど

これら海外の評判に、外山氏は「意外なほど、日本での人気作が受け入れられている」とコメント。ロブソン氏は「ゲームパスの存在、中国語のローカライズの拡大、全世界での同時発売などが影響している」と、日本製ゲームが海外で浸透している要因を解説した。「ワールドワイドで人気があるフォーミュラーを、宮崎英高さん(フロム・ソフトウェア社長)などが作ってこられたのが、現状につながっている」と安田氏は分析した。

最後のテーマ「今後注目する日本の作品」では、圧倒的に『ELDEN RING』と『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編を待望する声が多かった。他には、「バイオハザード」シリーズを手掛けた三上真司氏や、「メタルギア」シリーズの小島秀夫氏の名前も挙がり、個性の強いクリエイターの新作に期待が寄せられた。

「日本のゲームは、コミックやアニメーションの文化の影響を受けており、良くも悪くも独自性が強い。一時期、勢いを失ったと言われた時期もあったが、世界的に多様性を重んじるようなトレンドに変わってきた中で、日本の独自性が再注目されるようになってきているのではないのか」(外山氏)

YouTubeやゲーム配信の広がりで世界中のゲーマーがに情報を入手しやすい状況になっている。そのことも後押し、再び日本の個性豊かなゲームに注目が集まるという流れが加速しそうだ。

(ライター 佐藤隼秀)

[日経クロストレンド 2021年10月2日の記事を再構成]

「マーケ・デジタル戦略」が分かるデジタルメディア、日経クロストレンド

「日経クロストレンド」では「P&Gマフィア」「AIを使ったリアル店舗の逆襲」「クルマ・鉄道を変えるモビリティ革命『MaaS』」「中国ネット企業の実情」など、次の時代を予見するマーケティング・デジタル戦略の特集記事を毎月たっぷりお届け。マーケ担当者に加えて、経営者・役員やIT担当者など、幅広い層に読んでいただいています。

MONO TRENDY連載記事一覧