子どもたちの憧れ「ゲーム実況者」 なる方法って?

2021年10月3日に配信された主催者番組「なりたい職業“ゲーム実況者” ってホントは大変? その日常や制作舞台裏とは」。MCは「アナウンサー界で一番のオタク」と評される田口尚平アナウンサーが務めた
日経クロストレンド

今や、子どもたちが憧れる職業となったゲーム実況者。日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が発表した2020年度の小学生が「将来なりたい職業」ランキング(男子児童)を見ると、5位がゲーム制作関連、6位がYouTuberと、ゲーム業界やインフルエンサーに人気が集まっていることが分かる。

中学生になるとさらにその比率は上がり、ソニー生命による「中高生が思い描く将来についての意識調査2021」では、男子中学生が将来なりたい職業の1位にYouTuber、2位にプロeスポーツプレーヤー、5位にゲーム実況者がランクイン。女子中学生のランキングにおいても2位がYouTuberという結果だ。

好きなゲーム実況者の動画をきっかけとして、ゲームタイトルに興味を持つ視聴者も多い。そのため人気のゲーム実況者ともなると、ゲームメーカーとのコラボ企画が実施されたり、グッズが展開されたりすることもある。そうした様子を見て「好きなことをしてお金を稼げる」と憧れる子どもが多いようだ。

では、実際のところはどうなのか。そんな疑問に応える番組が東京ゲームショウ2021 オンライン(TGS202)にて配信された。

「のばまんゲームス」を運営するのばまんさん。シミュレーションゲームを中心に、独自の観点で気になったことなどを検証していくゲーム実況クリエイター。ゲーム実況に留まらず、実写動画やガジェット紹介など幅広く活動している

ゲーム実況者になったきっかけは?

2021年10月3日の10時から配信されたTGS2021の主催者番組のタイトルは、ずばり「なりたい職業“ゲーム実況者” ってホントは大変? その日常や制作舞台裏とは」。得意なゲームジャンルや配信スタイルの異なる人気ゲーム実況者3人をゲストに迎え、ゲーム愛ならぬ「ゲーム実況愛」が語られた。

最初のお題は「ゲーム実況者になったきっかけは?」。ゲーム実況者には資格も就職も必要ない。そのため道のりは三者三様だ。

YouTubeへの動画投稿を始めた18年当時、ドイツ南部のミュンヘンに住んでいたという「のばまん」さんは「ミュンヘンは20時になると店が閉まるので、夜はYouTubeを見ていた。そのころ見ていたRTGame(アイルランドの人気YouTuber)が、ゲームを間違った方向にプレーする人だった。それは私が普段からやっていたことだった」と話す。自分のゲームの楽しみ方を素直に配信するだけでファンがつくかもしれない、と気づいたのだという。

19年から本格的に動画投稿をスタートし、現在のチャンネル登録者数は40万人を超える。のばまんさんのチャンネルでは、シミュレーションゲームで「一度入ったら絶対に出られない遊園地を作る」など、本来の目的とは異なる方向からゲームを検証・考察する動画が人気だ。

CLAYさん。『プロ野球スピリッツA』をはじめとする野球ゲームのスペシャリスト。他にもさまざまなゲームの実況動画、野球などの実写動画を毎日投稿している

就職などを経ず、ストレートにゲーム実況者となったのばまんさんのような道のりがある一方で、CLAYさんはなかば転職のような形で動画の世界に足を踏み入れた。「もともと音楽業界で働いていて、動画業界が伸びているのを肌で感じていた。このまま動画に触れないのはもったいないと思い、何をやろうか考えたときに、昔から自信があった野球ゲームを一つの武器にしようと考えた」(CLAYさん)

そこから独学で動画の撮影・編集を覚え、チャンネル登録者数を伸ばしていったという。現在は『プロ野球スピリッツA』をはじめとする野球ゲームのスペシャリストとして活動。実在の野球選手とのコラボ企画も実現している。

コアラ's GAME SHOWを運営するコアラさんは、元探偵という異色の経歴を持つ人物。レトロゲームのコレクターでもあるコアラさんは「『ゲームセンターCX』(レトロゲームに挑む人気ゲームバラエティー番組)を見て、こういった番組を個人でやったら面白いのではないか」と考えたそうだ。

「コアラ's GAME SHOW」を運営するコアラさん。ゲーム業界に現れたV系(ヴィジュアル系)ゲーム実況YouTuberという新生異端児。ゲームコレクターとしての顔も持ち、主にゲームソフトやゲーム関連グッズを集めている

しかし道のりは険しく、チャンネル開設から半年が経過しても登録者数は50人ばかり。ゲーム実況を続けるモチベーションになったのは、任天堂のRPG(ロールプレイングゲーム)「MOTHER」シリーズの生みの親である糸井重里氏に会う、という目標だった。20年以上にわたり、「MOTHER」の関連グッズを収集しているコアラさん。その深い愛がついに届き、20年10月に糸井重里氏とゲームについて話す企画が実現した(糸井氏が主宰するウェブサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』とのコラボ企画)。

「(糸井重里氏との対面がかない)夢のようだった。聞いたときは言葉を失った」と話すコアラさん。CLAYさんも、自身のチャンネルが人気になったことで「自分がゲームで使用していた野球選手と一緒に動画が撮れる、夢みたいな話」があると語った
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