このツアーでは1時間半の間に7つのブースを訪れることになっており、各ブースに滞在できる時間はかなり短い。そんな状況でも、各企業の出展内容に対して具体的な感想や質問を挟んでいくあたりはさすがM-1チャンピオン(「M-1グランプリ2020」の優勝コンビ)と言うべきだろうか。マヂラブの2人の正直なリアクションが、ゲームや製品の魅力を引き立てているように感じた。

ベンキュージャパン(東京・千代田)のブースには、ゲーマー向けの液晶ディスプレーやプロジェクターが展示されていた。これらの設備が整えば、「(自宅を)ゲームハウスどころかゲーム大会ハウスにできる」と野田。参加者がベンキュージャパンの担当者にモニターの置き位置について質問するシーンも(写真はライブ配信の様子を撮影したもの)
ディースリー・パブリッシャー(東京・千代田)は『地球防衛軍6』を出展。試遊タイトルが1つに絞られているので、じっくりプレーする様子を見ることができた。過去作をプレーしたことのある野田は、ロケットランチャーを敵に命中させ続けゲームの爽快感を味わっていた。村上はシリーズ未プレーながらも操作のアドバイスを受けてゲームを堪能していた(写真はライブ配信の様子を撮影したもの)

「野田ゲー」制作者としてのリアクション

オンライン体験ツアーでは、ゲームを自作し、Nintendo Switch向けに『スーパー野田ゲーPARTY』として配信している野田クリスタルだからこそ説得力のあるリアクションも飛び出した。

続いて訪れたのは、日本電子専門学校のブース。展示されたゲームのプレー画面を見た2人は「これを学生が作ってるの?」(村上)、「すごいことですよ」(野田)とクオリティーの高さに驚いた様子。

村上が「あなたのゲームの数倍すごいですよ。このくらいの(クオリティーの)ゲーム、あなた作れないんですか?」と野田に振ると、「僕ですか? まず3D(3次元)ゲームを作ったことがないですからね」と、3Dゲームの制作が大変であることを主張。笑いを取りながらも、ゲームの制作者である学生への敬意が感じられるコメントが印象的だった。

日本電子専門学校のブースでは、学校の廊下を舞台に椅子でカーリングをする『椅ースポーツ』や、猛スピードでキツネから逃げ切る『CHICKEN RUN』など、4つのゲームを体験。制作した学生たちとコミュニケーションを取りながら作品の魅力をリポートしていった。

学校から帰宅する仮想現実(VR)ゲームを試遊する村上。さまざまな機材を取り付けられている相方に「おい、気をつけろよ」「ゴーグル外したらもう幕張にいないかもよ」と野田が不安をあおる。村上も「何? 電流? 脳の中調べられるってこと?」「やめてー!」とリアクション(写真はライブ配信の様子を撮影したもの)
本格的なレーシングゲーム『AimRacing2021(エイムレーシング2021)』を試遊する野田。HISの担当者から「すみませんがお時間ですー」と声がかかっても「終わらせませんよ」と少しの間運転を続けた

学校教材や教育玩具の製造・販売を行うアーテック(大阪府八尾市)のブースでは、学校でも使われているプログラミング教材を使った製品を体験することに。ブースの担当者から「ロックマンで遊びながらゲームプログラミングを学べるキット」があると聞いた野田は、「そんなのあるわけないでしょう」「目を覚ましてください」と担当者をたしなめるような口調で参加者を笑わせる。

ブースに用意されたパソコンで、まずは野田が「ロックマン」をプレー。プレーしたステージが、実はすべてScratch(スクラッチ)というプログラミング言語で作られており、こうした「ロックマン」のゲームを作れるようになるのが『メイクロックマン 史上最大のプログラミング』だと明かされる。

『メイクロックマン 史上最大のプログラミング』で作られた「ロックマン」のステージをプレーする野田クリスタル。ボス戦では、相手の攻撃を受けながらも力づくでロックバスターを当てにいく「ゴリ押し」プレーで勝利

独学でプログラミングを覚えたという野田は「何よりも(ゲームに必要な)素材が集まっているのがいいですね」と、自身の体験を踏まえてコメント。ゲーム作りには、登場するキャラクターやアイテムといったさまざまな素材が必要で、そうした素材を用意するのが実は大変なのだという。

ゲームの裏側を確認するマヂラブの2人。使用しているScratch(スクラッチ)は、ブロックをつなげることでプログラミングができ、直感的に操作できるのが特徴。「Scratchはいいですよ、やっぱり」(野田)

90分のオンライン体験ツアーはあっという間だった。今回、一般参加者はリアル会場を訪れることができないため、こうした現地の様子をリアルタイムで楽しめるコンテンツがあると「イベントに参加している」実感がわいてくる。

強いて言えば、いくつか気になる点もあった。例えば、会場のインターネット回線が混雑しているのか、ときおり音声が途切れたり、映像がカクカクとコマ落ちしたりすることがあった。コメント欄でも同様の声が目立っていた。また、マヂラブの2人の音声は聞こえるが、試遊しているゲームの音はあまり聞こえなかった。もう少しゲームのプレー画面や音をクリアに楽しめたらさらに良かったと思う。

ただ、そうした点を差し引いても、会場の臨場感を味わえる喜びのほうが大きい。「ゲーム好き芸人」のガイドがあったことで、各ブースの出展内容に興味を持った参加者も多かったようだ。これまで幕張メッセに足を運べなかったゲームファンも、オンラインなら気軽に参加できる。オンライン開催でありながら、リアル会場があることの利点を体感できた。来年もこうした試みがあることを期待したい。

(ライター/編集者 大吉紗央里、会場写真 志田彩香)

[日経クロストレンド 2021年10月2日の記事を再構成]

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