日経Gooday

――最初にカウンセリングや体の状態を確認してから、個別に運動プログラムを作成し、1回60分ほどの運動指導を行うという流れですね。

沖本さん そうです。同じがんの種類で同じ治療を受けていても、体に出てくる不調、痛みは千差万別だと感じています。がん以外の病気やケガのある人も多く、個別性が高いです。気軽に運動指導を体験してもらえるように、相談会やロコモティブシンドロームなどの測定会を開催し、これまでに500人以上に参加してもらっています。実際に運動支援している方は120人以上で、4分の3が女性です。年齢は40代以上の方がほとんどで、特に手術後に肩が動きにくかったり、痛みが出たりする乳がんの方が全体の3分の1を占めています。「職場復帰を目指して体力を付けたい」、「体の動きづらいところや痛みを改善したい」などの悩みでお越しになられます。

料金は月1回5500円~(回数に応じて料金は変わる。個別指導以外の日は自由に施設を利用できる)。オンラインでの受講も可能。

全国にがん専門運動指導士を輩出しサバイバーを支援

――運動支援センターは大阪国際がんセンターとともに、2021年からがん専門運動指導士の養成も行っています。沖本さんはじめセンターの指導員の皆さんはこの資格を取得されていますが、そもそもどのような狙いがあるのでしょうか。

沖本さん 運動支援センターは、全国どこにもないがんに特化した施設です。アクセスしやすいところにいらっしゃるがん患者さんには直接、運動支援できますが、他の地域の方に対面での支援はできていない状況です。そのため、運動指導者を対象に、がんについての知識を持ち、患者さんのニーズに応じて運動支援できる人材を育成し、全国に輩出したいという狙いからがん専門運動指導士を養成しています。

具体的には、大阪国際がんセンターの医療スタッフによる講義の映像教材とテキストで事前に個人学習し、実技形式の集合学習を現在はオンラインで行っています。大阪国際がんセンター認定の資格になりますから、最終的に認定試験で認定基準を満たすことが必要です。これまでに養成講座を6回実施し、北は北海道、南は沖縄まで全国で約80人のがん専門運動指導士が誕生しました。彼らはすでにがんサバイバー(がん経験者)に運動を提供する機会がある人たちで、がんに対する理解を深めたいという思いからこの資格を取った人が多いです。2022年度は、がん専門運動指導士が新たながんサバイバーに運動支援していく体制づくりを推進していきたいと思っています。

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できるところから継続して運動を