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焼き芋が急上昇 グルメ投稿に見る4つの食トレンド

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NIKKEI STYLE

日経クロストレンド

時短営業や酒類提供禁止を強いられたり、ステイホームでデリバリーが伸びたりなど、新型コロナウイルス禍の影響を大きく受けた外食業界。2021年はどういったトレンドが生まれ、22年はどうなっていくのか。メニューごとに投稿・閲覧できるグルメコミュニティーアプリ「SARAH(サラ)」の投稿の傾向から食トレンドを分析した。

まずは21年のトレンドだ。21年の各月でSARAHへの投稿数増加率が上位50に入ったメニューから、4つのトレンドをピックアップした。

【トレンド 1】スイーツが「食事とお菓子の間」化

スイーツのキーワードは「食事とお菓子の間」。ボリュームがあって腹持ちがよいものが人気となった。その筆頭が「マリトッツォ」。

ブリオッシュ生地にたっぷりの生クリームを挟んだローマの伝統菓子で、テークアウトがメイン。甘さと濃さ、フルーツのバリエーションに関する投稿が多かったという。「家で食べ、はっきりとした味わいを求めている」(SARAH FoodDataBank プロダクトマネージャーの倉内彰氏)

食事とお菓子の間という意味で、甘さ控えめもポイント。マリトッツォと同様に21年にブレークした「台湾カステラ」は甘さ控えめでスポンジケーキと思えないしっとりとした食感が特徴だ。

そのほか、スイーツでは「焼き芋」が急上昇。アイスやパフェにのせたり、スターバックスコーヒージャパンが21年9月に「焼き芋 フラペチーノ」を発売したりなど、さまざまなバリエーションで食べられているのが要因だ。

【トレンド 2】ワンハンドフードの台頭

「テリヤキバーガー」「フルーツサンド」など、自宅でも歩きながらでも手軽に食べられるワンハンドフードの投稿が増えているのも特徴。デリバリーやテークアウトで伸長する「○○専門店」の増加も背景にあるのではと倉内氏はいう。

【トレンド 3】海外テイストで定番メニューに新鮮味

カラフルな具材を包まずにのせて見栄えを楽しむ韓国版いなりずし「ユブチョバプ」や、卵を割って黄身がとろりと出てくる瞬間を体験する「ビスマルクピザ」、店ごとにさまざまな味わいのソースが楽しめるベトナム料理「揚げ春巻き」など、海外テイストで新鮮味が加わった定番メニューに注目が集まった。

そのほか、「カツ丼」や「冷やし中華」も映える仕立てのバリエーション豊かなメニューが多数投稿されていたという。

一方、同じ定番メニューでもカレーやラーメンでは「滋味」というキーワードが伸長。辛さやしびれなどの刺激的な料理と対極にある身体に優しい味わいが人気に。「健康志向の高まりに伴って滋養的なものを求める消費者が増えているのでは」(倉内氏)

【トレンド 4】朝、昼時間帯のぜいたくニーズ高まる

ハムとチーズを挟んで焼いたパンにホワイトソースをかけた「クロックムッシュ」、そこに目玉焼きをプラスした「クロックマダム」といったパンをぜいたくに楽しむメニューも人気に。「コロナ禍で大勢での会食が難しくなり、朝や昼に1人や少人数での食事を少しぜいたくにしようという傾向が出てきているのでは」(同)

ぜいたく傾向は外食全体にも表れているようだ。人気のラーメンやパスタの投稿で21年は1000円以上のメニューが20年に比べて105%だったという。

22年の食トレンドは?

22年の新たな食トレンドとして「軽食」「味が想像できる海外メニュー」「大型化、小分けメニュー」の3つが予測されるという。

食べたいときに食べたい分だけ楽しめる軽食は「食事とおやつの間」ニーズの延長。「『立体感のある盛り付け』『1食で満足するボリューム』『素材の甘み』がポイント。例えば、さつまいもを使ったパイやデニッシュなどが考えられる」(同)

味が想像できる海外メニューは、優しい味わいの人気が続く一方、旅行に対する欲求や食べ飽きから新しいメニューへの興味・好奇心がより高まるという予測から。比較的なじみのあるエスニックやハワイアンなどで旅行気分を味わうようなイメージだろう。

また、定番メニューのバラエティー化が進み、家族など親しい仲間との食事でバラエティーを求めるニーズが増えることから、大型化、小分けメニューに注目が集まるのではという。

まだまだコロナ禍の収束が見えない中、外食ではテークアウトやデリバリーを見据えたメニューが引き続き重要になりそうだ。

(日経クロストレンド 山下奉仁、写真提供 SARAH)

[日経クロストレンド 2022年1月28日の記事を再構成]

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