答えと解説

正解は、(2)可能な範囲で運動する です。

耳には音を感じる聴覚のほかに、体の向きや動きを感じ取る平衡覚を脳へ伝える働きがあります。耳鼻咽喉科学が専門の慶應義塾大学医学部名誉教授である小川郁さんは、「高齢者のめまいの中では、いちばん頻度の高い病気である良性発作性頭位めまい症は、耳の三半規管の問題で起きます」と解説します。

耳は、外耳、中耳、内耳に分けられます。平衡覚をつかさどるのが、内耳にある三半規管と前庭の役割です。三半規管は3つの半円状の輪が互いに直角になっていて、この中のリンパ液の流れが、上下、左右、前後の動きとしてとらえられます。

耳の構造

原図=123RF

「良性発作性頭位めまい症は、耳石の一部が剥がれ落ちて三半規管の中に入ってしまった状態です。頭を一定の位置に動かしたときに、三半規管の中で耳石のかけらが動くので、三半規管が異常な刺激を受けてめまいを起こします。年齢とともに耳石が剥がれ落ちやすくなるため、高齢者に起こりやすいのです」(小川さん)

ただ、耳石は「炭酸カルシウムの結晶」であり、通常は一定の時間が経つと溶けて消えてしまいます。時間の経過とともにめまいを感じなくなるのです。

めまいがあると安静にしていたほうがいいのではと思うかもしれませんが、実はそうではないそうです。

「かけらをなるべく早く溶かすためには、実は、じっと安静にしているよりも、むしろめまいを起こすような運動をしたほうがいいんです。可能な範囲で、なるべく体を動かしていただくのがいいと思います」(小川さん)

この記事は、「『めまいは安静にするより運動を』読者の悩みに名医が回答!」https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/18/020200005/072300057/(梅方久仁子=ライター)を基に作成しました。

[日経Gooday2021年12月13日付記事を再構成]

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