iPadプレゼン術 PCのパワポ資料をキーノートで表示

少人数に対するプレゼンなら、パソコンではなくiPadを使うという手がある=PIXTA
日経クロストレンド

「表示にはご自身のパソコンを使いますか」。講演の依頼を受けると、セミナーの事務局からそんな問い合わせが来る。プレゼンテーションといえばパソコンというのが前提になっているが、実はiPadも機能が向上し、プレゼンに最適なデバイスに進化している。今回はiPadのプレゼン術を紹介しよう。

新型コロナウイルス感染症の第6波に向けて油断できない状況が続いているとはいえ、緊急事態宣言が解除となり、従来のような対面での商談をする機会が増えてきた。対面でプレゼンテーションをするとき、僕が「持っていて良かった」と実感する機器がiPadである。

パソコンで不満がないのに、なぜiPadでプレゼンをする必要があるのか。iPadの優位性は、その取り回しの良さにある。

江戸時代の武士は大小2振りの刀を腰に差していた。メインの武器である本差(ほんざし)と、刀身の短い脇差(わきざし)である。少しとっぴな考えかもしれないが、現代のビジネスパーソンが使うプレゼンの道具を武士の刀に例えれば、iPadは脇差に当たると言える。

会議室のような広い会場でプロジェクターを使ってプレゼンをするならパソコンで問題ない。一方で、事務所の片隅や喫茶店など、プロジェクターやモニターのない場所での「接近戦」はどうだろう。次のスライドに進む際にキーボードの矢印キーを押しては、パソコンの向きを正面の相手に向け直すといった手間をかけるよりも、iPadの画面を相手に見せながらスワイプ操作で切り替えたほうがスマートだ。

印刷した資料を渡すという手もあるが、相手が資料を読み始めてしまい、話に集中できなくなる可能性がある。同じiPadの画面を見ながら話を聞いてもらうことで、気持ちの面でもグッと相手の懐に踏み込めるのだ。

エレベーターに乗るわずかな時間でプレゼンする「エレベーターピッチ」のように、商談が現場勝負になるなら、iPadを手に持って、立ったままスライドを見せていくのも素晴らしい使い方だと思う。

大きな会場でプレゼンするケースでも、パソコンの調子が突然悪くなったり、うまく画面の出力ができなかったりといったトラブルが起こることもある。そんなときにiPadとHDMIの接続アダプターを持っていれば、万が一の際の予備としても活躍してくれる。

PowerPointのスライドをそのまま実行

では具体的な使い方を紹介していこう。iPadでのプレゼンでは無料のプレゼンテーションアプリ「Keynote(キーノート)」を使うのが定番だが、「PowerPoint(パワーポイント)」のアプリ版をインストールすることもできる。操作の感覚や機能はパソコン版のPowerPointとは異なる部分もあるが、スライドを表示したり、ちょっとした文字直しをしたりする程度なら十分に使えるはずだ。ただし、iPadの画面サイズによってPowerPointの編集機能を使うには「Microsoft 365」のサブスクリプションが必要になるので注意してほしい。

マイクロソフトのクラウドストレージサービス「OneDrive」を使ってPowerPointのファイルをiPadで開いているところ。今回は10.9型の「iPad Air(第4世代)」で使い方を説明する

パソコン上で作成したPowerPointのファイルをiPadのローカルストレージに保存すれば問題なく表示できるのだが、その前にファイルの転送が必要になる。このファイル転送が少々面倒だ。

お薦めはマイクロソフトのクラウドストレージサービス「OneDrive(ワンドライブ)」を使う方法。iPadにOneDriveアプリをインストールしておく。パソコンでPowerPointのファイルを作成したら、それをOneDrive上に保存するだけで、iPadのOneDriveアプリからすぐに開けるようになる。その後は、iPadのPowerPointを起動して、そこから「最近使ったファイル」で開くことも可能だ。

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Keynoteでもパワポのファイルを開ける
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