東大発ベンチャーが花瓶型プロジェクター 部屋と一体

「Aladdin Vase」の外形は直径80×高さ169ミリメートル。樹脂と金属部分から構成。付属するリモコンも同じキャメルブラウンにデザインしたほか、自立できるようにした
日経クロストレンド

東京大学発のベンチャー企業、popIn(ポップイン、東京・港)は2021年9月29日、据え置き型のプロジェクター「Aladdin Vase(アラジン ベース)」を発売すると発表した。Design Studio S(東京・目黒)の柴田文江氏がデザインを手がけた。

ベッドサイドやキッチンテーブルなど、自宅のさまざまな空間になじむ色としてキャメルブラウンを採用。vase(花瓶)という商品名の通り、オブジェとして自然と飾りたくなる外観にしたという。外形は直径80×高さ169ミリメートルの円筒形で、約650グラムと片手で持ち運べる大きさ。付属するリモコンも同じキャメルブラウンにしている。価格は6万9800円(税、送料込み)で2021年12月末に出荷予定。

popInは08年設立。顧客の興味や好みを分析するリコメンデーションエンジンといった、インターネット広告の分析用ソフトを開発し、15年に中国企業の百度の日本法人バイドゥ(東京・港)の子会社になった。18年にハード分野に参入し、プロジェクターとBluetooth対応スピーカーを備えた天井に取り付けるタイプの照明一体型プロジェクター「popIn Aladdin(ポップイン アラジン)」を発売。21年9月末にシリーズ累計で約15万台を突破しており、プロジェクターメーカーとしても存在感を見せている。

「popIn Aladdinは天井に取り付けるため、生活していてもあまり気にならない。だが今回のような据え置き型になると、どうしても目立ってしまう。開発するに当たり、単に生活に溶け込ませるだけでなく、存在をどうしたら『喜び』に変えられるかと悩んでいた」(popIn社長の程涛氏) 

情報機器というより、朝起きたらそばにいる、ペットのようなイメージにしたかったという。「そこで柴田氏に相談。デザインを見た瞬間、これこそベストアンサーだと確信した」と程氏は話す。

柴田文江氏は、「Aladdin Vaseは、どこから見ても正面になる、いわば『360度デザイン』のプロジェクター。ほかの情報機器のように、表や裏がないデザインにしており、後ろから見ても大丈夫。どこにでも置ける」と言う。情報機器とインテリア小物の境目がなくなるようなデザインにした。「情報機器でありながら、コーヒーカップなどと同じような暮らしの道具としてのたたずまいを目指した」(柴田氏)

これまでの情報機器は、機能の先進性をいかにデザインで表現するかが問われる傾向があった。今回は、暮らしの中での親和性を目指した。このため白や黒、グレーといった色ではなく、キャメルブラウンにした。一般的なブラウンではなく、キャメルブラウンを選択したのは、やや華やかにして、商品としての個性を際立たせたかったからだ。

次のページ
ヒーリング機能のアプリも内蔵