日経PC21

IPv6 IPoEの対応も重要に

プロバイダーとの接続方式にも留意したい。従来のPPPoE(ピーピーピーオーイー)という接続方式では、電話回線網とプロバイダーをつなぐ網終端装置が混雑すると、速度が低下しやすいという欠点があった。IPv6 IPoE(アイピーオーイー)と呼ばれる新しい接続方式では、網終端装置の代わりに通信容量の大きいゲートウエイルーターを経由するので、混雑時でも速度が低下しにくい。通信が高速になるうえ、認証IDやパスワードの入力などが不要になる(図10)。

図10 従来のPPPoEは、Wi-Fiルーターに認証IDとパスワードを設定しないとネットに接続できない。また、電話回線網とプロバイダーを接続するネットワーク終端装置が混雑すると、速度が低下しやすい(上)。IPv6IPoEは認証IDやパスワードの設定が不要。また、ネットワーク終端装置の代わりに通信容量が大きいゲートウエイルーターを経由するため、混雑時でも速度が低下しにくい(下)

IPv6 IPoEの環境下では、IPv6でIPv4への通信もできるIPv4 over IPv6も利用でき、IPv4の高速化が図れる(図11)。なお、前出の「IPv6対応」と「IPv6 IPoE対応」はまったくの別物なので注意したい。また、これらの機能を使うにはプロバイダーとのオプション契約が原則として必要だ。

図11 IPv4 over IPv6は、IPv4の通信網を使わず、IPv6の通信網を使ってIPv4の通信をする仕組み。余裕があるIPv6 IPoE の通信網を使うことで、ネットの高速化が期待できる。IPv6 IPoEとセットでサービスを提供しているプロバイダーが多い

最後に、QoSとブリッジモードを解説する。QoSは通信に優先順位を付ける機能。動画やゲームなどのデータを優先的に処理することで、通信状態を安定させる効果がある(図12)。

図12 QoSはWi-Fiルーターが通信の種類を判別し、それに優先順位を付けて特定の種類の通信を優先的に端末に送信する仕組み。動画やゲームなど、連続的に通信する用途を優先したいときに便利

ブリッジモードは、ONU(光回線終端装置)にルーター機能がある場合に利用するモード。Wi-Fiルーターのルーター機能をオフにすることで、ルーター機能が二重になることによる速度低下を防止できる(図13)。

図13 ONU(光回線終端装置)がルーター機能を備える場合、Wi-Fiルーターを接続すると、ルーター機能が二重になり速度低下を招きやすい。Wi-Fiルーターをブリッジモードに設定するとルーター機能がオフになり、アクセスポイントの機能だけを担う

(ライター 田代祥吾)

[日経PC21 2021年11月号掲載記事を再構成]