IPv6 IPoEの対応も重要に
プロバイダーとの接続方式にも留意したい。従来のPPPoE(ピーピーピーオーイー)という接続方式では、電話回線網とプロバイダーをつなぐ網終端装置が混雑すると、速度が低下しやすいという欠点があった。IPv6 IPoE(アイピーオーイー)と呼ばれる新しい接続方式では、網終端装置の代わりに通信容量の大きいゲートウエイルーターを経由するので、混雑時でも速度が低下しにくい。通信が高速になるうえ、認証IDやパスワードの入力などが不要になる(図10)。

IPv6 IPoEの環境下では、IPv6でIPv4への通信もできるIPv4 over IPv6も利用でき、IPv4の高速化が図れる(図11)。なお、前出の「IPv6対応」と「IPv6 IPoE対応」はまったくの別物なので注意したい。また、これらの機能を使うにはプロバイダーとのオプション契約が原則として必要だ。

最後に、QoSとブリッジモードを解説する。QoSは通信に優先順位を付ける機能。動画やゲームなどのデータを優先的に処理することで、通信状態を安定させる効果がある(図12)。

ブリッジモードは、ONU(光回線終端装置)にルーター機能がある場合に利用するモード。Wi-Fiルーターのルーター機能をオフにすることで、ルーター機能が二重になることによる速度低下を防止できる(図13)。

(ライター 田代祥吾)
[日経PC21 2021年11月号掲載記事を再構成]