検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

5Gを超越「6G」 人とつなぎテレパシーや念力を実現?

佐野正弘のモバイル最前線

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

2020年にサービスが始まった高速通信規格「5G」は、当初エリアが非常に狭く利用するのに苦労する状況だった。しかし21年には都市部であれば5Gを利用できる場所が大幅に増えた。各携帯通信事業者は今後、5Gのエリア拡大にいっそう力を入れようとしている。それに加えて、低価格の5G対応スマートフォンも続々登場している。22年はようやく5Gの利用が本格化することとなりそうだ。

世界で「6G」の研究開発が加速

その一方で、ここ最近携帯電話業界で耳にする機会が増えたのが次世代通信規格「6G」である。6Gは文字通り、5Gの次の世代となるモバイル通信規格。5Gがあまり普及していないにもかかわらず、世界各国でいま6Gに向けた研究開発が急加速している。

なぜ、6Gの研究が盛んになっているのか。それは5Gによってモバイル通信がコミュニケーションインフラから、都市や社会を支える基盤へと変化し、その重要性が大きく高まったためだ。次世代の6Gの技術開発で主導権を握れば、国家として世界での影響力を高められることから、各国の研究開発争いが激しくなっている。

実際日本でも20年に「Beyond 5G推進コンソーシアム」が立ち上がり、産官学共同で6Gに向けた研究開発を進めている。ただ5Gでさえ本格的な利活用が進んでいない中、6Gが5Gから「どのように進化するのか」「何を実現できるのか?」までは、想像できない人も多いだろう。

Beyond 5G推進コンソーシアムが示す「Beyond 5G」、すなわち6Gに求められる機能を見ると、6Gは5Gの特徴でもある「高速大容量通信」「低遅延」「多数同時接続」をさらに強化するようだ。実際、6Gの通信速度は5Gの10倍、遅延は5Gの10分の1、同時接続数は5Gの10倍を目指すとされている。

もう1つは新たな機能の追加だ。具体的には基地局などの消費電力が100分の1となる「超低消費電力」や、災害や障害から瞬時に復帰する「超安全・信頼性」、そして衛星などを用いて地上だけでなく空や海、宇宙なども通信エリアにする「拡張性」などが挙げられている。5Gとはネットワークのあり方が大きく変わろうとしていることが分かるだろう。

6Gを実現する新たな技術とは

だがそれだけ高度なネットワークを、現在の技術だけで実現するのは難しい。新たな技術を投入していく必要がある。例えば5Gよりも、いっそうの高速大容量通信を実現するには、多くのデータを一度に送る広い道幅、つまり周波数帯の幅が必要だ。そこで、5Gで使っているものより高い周波数帯、具体的には100ギガヘルツ(GHz、ギガは10億)以上の「テラヘルツ波」と呼ばれる帯域を使うことが検討されている。

だが、それだけ高い周波数だけに、その電波は障害物にとても弱く、遠くへ飛ばすのがいっそう難しくなるという問題を抱えている。そのため高い周波数を有効活用して、エリアを広げるためのさまざまな研究が進められている。その1つがNTTドコモが研究を進めている「置くだけアンテナ」だ。

これは「誘電体導波路」と呼ばれる電波を運ぶケーブルのような物体に、プラスチック片を置くことで、そこから電波が漏れて通信できるようにするというもの。高い周波数の電波は建物の壁でさえぎられてしまい屋内に電波を届けるのは難しいが、この技術を使えば、誘電体導波路をあらかじめ建物内に設置しておくことで、建物内の特定の場所を低コストでエリア化できるようになるという。

エリアをより広範囲に広げる拡張性を実現する研究開発も進められている。その1つが「高高度疑似衛星(HAPS)」という技術。これは地表から20キロメートル程度の成層圏を飛行して地上の携帯電話と直接通信する「空飛ぶ基地局」というべきものだ。

HAPSの実用化に向けた研究開発はNTTドコモとソフトバンクが積極的に取り組んでいる。実際に成層圏にフライトしての試験も実施している。NTTドコモは欧州エアバスやスカパーJSATなどと提携して実用化を急ぐ。ソフトバンクは以前共同でHAPSの研究開発を進めていた米Alphabet(アルファベット)の子会社から特許を取得し、HAPSの実用化に向けた開発を強化している。

6GでNTTドコモが目指す「人間拡張」

確かに6Gの性能は高いが、それだけの性能を現在のスマホがフルに生かせるとは考えにくい。有効活用にはデバイスやサービス側の進化も求められる。その利用用途としてNTTドコモが研究を進めているのが「人間拡張」である。

人間拡張とは、テクノロジーの力で人間の身体や感覚などの能力を拡張する技術。6Gではネットワークの通信速度が人間の神経の反応速度を超えることから、NTTドコモは6Gで機械ではなく人間自体をネットワークに直接接続し、クラウドなどのコンピューターパワーを活用することで能力を拡張しようと考えているわけだ。

NTTドコモは22年1月17日、富士通、FCNT(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ)、センシング技術を持つスタートアップH2L(東京・港)などとの協力により、「人間拡張基盤」を開発したことを発表した。これは体の動きのデータを専用の機器で取得し、ネットワークを通じてその基盤に送ることにより、ロボット、あるいは別の人にその動きを直接伝えてコントロールする仕組みだ。

NTTドコモは、22年1月17日からオンラインで開催した同社の研究成果を披露するイベント「docomo Open House'22」で、人の手の動きを人体拡張基盤に送ってロボットに伝えて動かすだけでなく、電気による刺激を用いて別の人の手を動かすデモを披露した。NTTドコモでは今後人間拡張基盤のような技術が進化することで、将来的には6Gのネットワークを通じテレパシーやテレキネシス(念力)のようなことも実現できると見ているようだ。

ここ最近、仮想空間でさまざまな活動をする「メタバース」が大きな注目を浴びている。だが、人体拡張基盤の取り組みなどを見ると、6Gでは仮想空間を超えてネットワークが人間自体を進化させる、SFのような世界がやってくることになるかもしれない。

6Gの商用化タイミングは30年ごろと予想されるが、前倒しの可能性もある。

佐野正弘
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_