Wi-Fi環境の見直し ルーターは高速で安全「6」が主流 最新パソコンスペックガイド ネットワーク編(上)

日経PC21

ネットワーク環境は一度構築するとそのままにしがちだ。しかし、ここ10年でWi-Fiルーターの最大通信速度は10倍以上になった。「ビデオ会議の最中に動画が途切れた」「顔がフリーズして動かない」といったトラブルは、Wi-Fiルーターの性能不足が原因かもしれない(図1)。この機会にWi-Fiルーターや中継器の刷新を検討するとよいだろう。今回から2回にわたってネットワーク環境の最新事情を解説しよう。

図1 Wi-Fiルーターのパッケージや仕様には、Wi-Fiの規格や機能などが網羅されている。これらを知っておくと製品を選びやすくなる。画像はバッファローの「WSR-3200AX4S-WH」のパッケージ

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現在販売されているWi-Fiルーターの大半が、Wi-Fi 6に対応する。これは、最新規格IEEE802.11axの通称だ。「6」は6世代目を表し、Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)の後継規格となる(図2)。登場と同時にWi-Fi 6という通称を導入し、過去の2世代にもその呼び方に即した通称が付いた(図3)。

図2 現在、Wi-Fiで主に使われている規格はIEEE802.11acだ。Wi-Fi 6と呼ばれる最新のIEEE802.11axも、2019年ごろから対応製品が出始め、徐々に浸透しつつある
図3 IEEE802.11axから規格名とは別に「Wi-Fi 6」という通称が付けられた。「6」はWi-Fiの世代を表す。同時に過去のIEEE802.11acは「Wi-Fi 5」に、IEEE802.11nは「Wi-Fi 4」と呼ばれるようになった

もともと、認証団体に認可された無線LAN機器を「Wi-Fi」と呼ぶことから、無線LANのことをWi-Fiと呼ぶようになった(図4)。Wi-Fiと携帯電話の高速通信規格「5G」はまったくの別物で、用途も違う(図5)。

図4 Wi-Fi アライアンスという業界団体が認証した無線LAN機器のことを「Wi-Fi」と呼び、それが無線LANという言葉に代わって定着した。現在販売されている家庭用無線LAN機器のほとんどが認証を受けており、Wi-Fiと無線LANはほぼ同じものと考えてよい
図5 5Gは、基地局と通信する移動通信システムの第5世代。Wi-Fiは家庭やオフィス内のネット回線に無線で接続できる仕組みで、有線LANケーブルを無線に置き換えたもの
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Wi-Fi 6はセキュリティーや効率が向上