それから20年余り。日本の医療系動画サイトの現状はというと、処方や手術についての新たな知見やノウハウを提供できているものは少ないように思えます。収録したときは、最新の情報を盛り込み、登場する講師陣も第一線の方々だったのでしょう。しかし、時を経てなお、最先端の内容であり続けるコンテンツは決して多いとはいえません。

いくら何百本の動画が公開されていようと、それが古いものばかりでは、医療系動画のプラットフォームとしての価値は下がるばかりです。特に新型コロナウイルス禍を経験した現在、見直しが必要なコンテンツは少なくないでしょう。

前述した「新しい医療動画の作り方」であれば、こうした問題を一気に解決することができるのではないでしょうか。日本のみならず世界に広げていくこともできるのではないかと期待しています。

「隗(かい)より始めよ」ではありませんが、いま私は医療系動画の制作に悪戦苦闘する日々を送っています。「実験の場」としてマンションの一室を新たに借り、そこでプロンプター(原稿映写機)や眼鏡型ウエアラブル端末「スマートグラス」、拡張現実(AR)の表示装置などを活用しながら、これまで誰も手がけたことがないようなコンテンツ制作をめざして奮闘しています。

鈴木吉彦
1957年山形県生まれ。83年慶大医学部卒。東京都済生会中央病院で糖尿病治療を専門に研さんを積む。 その後、国立栄養研究所、日本医科大学老人病研究所(元客員教授)などを経て、現在はHDCアトラスクリニック(東京・千代田)の院長として診療にあたる。

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鈴木医師が院長を務めるHDCアトラスクリニックのHPでは、専門である糖尿病に関する情報を幅広く紹介しています。

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