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いつでも最新・最先端 医療動画の新しい制作法に挑戦

HDCアトラスクリニック院長 鈴木吉彦

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NIKKEI STYLE

DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代、医療はどう変わっていくのか。生活習慣病の代表格ともされる糖尿病の専門医で、1990年代後半~2000年にかけて医療情報ポータルサイト(MediPro/MyMedipro)を立ち上げるなど、デジタル領域についても豊富な知見を持つ鈴木吉彦医師(HDCアトラスクリニック院長)に医療とデジタルの新時代について語ってもらいます。

教育動画を集めたサイトはたくさんありますが、不思議なことに医療分野の動画サイトは、なかなか見つかりません。なぜでしょう。医療は日々進歩しており、治療方針やガイドラインも変わります。1年前のものであっても、内容(コンテンツ)が古くなり、使えなくなることも、少なくないからです。

動画共有プラットフォームにはたくさんのコンテンツがありますが、時とともにおのずとその内容は古くなってしまいます。医療分野であればなおさらのこと。何年か前の医師の意見や見解といった「古い知識」ばかりが残ることになります。学習する側にしてみれば、そのひとつひとつをチェックして、選別するのは大変な作業です。

動画視聴についての利用者の意識も変化しています。コンテンツを選ぶのはメディアではなく、利用者が選ぶ時代になっているのです。

では、医療従事者に選ばれる医療動画サイトを実現するには、どうしたらよいのでしょうか。

私がいま考えているのは、まだ、誰もやったことがない独自の動画制作方法です。まだ実証実験を始めたばかりですが、ご紹介します。

理屈は簡単です。まず、短編動画をたくさん制作します。その上で、どの動画に人気があるのかを、再生回数、視聴時間など、さまざまな指標で測定します。

こうした短編動画 ( short story video )のうち、人気があるものを選び出し、つなぎ合わせて長編動画( long story movie )を制作します。時代に合わなくなり、通用しなくなった部分を差し替えれば、内容を常に最新のものにアップデートした医療動画を提供することができます。新薬が出たり、保険の適応範囲が変わったり、ガイドラインの変更があったり、その時々に応じて、修正が必要な部分だけを差し替えればいいのです。私の知る限り、このような動画の制作手法は、これまで誰も手がけていないようです。

例えば、次のような使い方を考えています。

血糖値を下げるインスリンの分泌を促すホルモン「GLP1(グルカゴン様ペプチド1)」を利用したダイエット注射をご存じでしょうか。これまで欧米など世界的に保険適応が承認されたのは、1日1回注射する「サクセンダ」だけでした(日本では保険適用外)。ところが、2021年に「Wegovy(ウェゴビー)」という薬剤が米国で承認されたのです。

ダイエット注射について「国際的に保険適応承認されているのは、1日1回注射のサクセンダのみです」していた動画は、誤りとなってしまします。しかし、前述の新手法を使えば、「国際的に保険適応承認されているのは1日1回注射のサクセンダと1週間に1回注射のWegovyの2剤があります」と差し替えることができるのです。つまり、内容を更新できないことに起因するリスクを回避することが容易になるのです。

実は、日本において、本格的な医療従事者向けWebプラットフォームで、教育動画を初めて制作したのは、私ではなかったかと思っています。

2000年代前半、私は、ソニーが運営する「メディカル・チャンネル」という医療情報サイトのリーダー的役割を務めていました。2001年のサイト開設と同時に米ハーバード大学医学部のインターネット講座を開講させるなど、おそらく日本で最初の医療従事者向けeラーニングを実現しました。

大手製薬企業の支援を受けながら、巨大な資金を投じての大実験でした。大変でしたが「日本初」を実現する喜びはひとしおでした。

ハーバード大のあるボストンへ交渉に赴いた際には、大変丁重なおもてなしを受けました。見晴らしのいい庭園を眺めながら、ワインとたくさんの高級料理をごちそうになりました。

それから20年余り。日本の医療系動画サイトの現状はというと、処方や手術についての新たな知見やノウハウを提供できているものは少ないように思えます。収録したときは、最新の情報を盛り込み、登場する講師陣も第一線の方々だったのでしょう。しかし、時を経てなお、最先端の内容であり続けるコンテンツは決して多いとはいえません。

いくら何百本の動画が公開されていようと、それが古いものばかりでは、医療系動画のプラットフォームとしての価値は下がるばかりです。特に新型コロナウイルス禍を経験した現在、見直しが必要なコンテンツは少なくないでしょう。

前述した「新しい医療動画の作り方」であれば、こうした問題を一気に解決することができるのではないでしょうか。日本のみならず世界に広げていくこともできるのではないかと期待しています。

「隗(かい)より始めよ」ではありませんが、いま私は医療系動画の制作に悪戦苦闘する日々を送っています。「実験の場」としてマンションの一室を新たに借り、そこでプロンプター(原稿映写機)や眼鏡型ウエアラブル端末「スマートグラス」、拡張現実(AR)の表示装置などを活用しながら、これまで誰も手がけたことがないようなコンテンツ制作をめざして奮闘しています。

鈴木吉彦
1957年山形県生まれ。83年慶大医学部卒。東京都済生会中央病院で糖尿病治療を専門に研さんを積む。 その後、国立栄養研究所、日本医科大学老人病研究所(元客員教授)などを経て、現在はHDCアトラスクリニック(東京・千代田)の院長として診療にあたる。

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