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北海道の食材ふんだんイタリアン 喉ごしとろけるピザ

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NIKKEI STYLE

「北海道イタリアン」というテーマで人気となっている店がある。店名は「ミア・ボッカ」。店名は違うが、同じコンセプトの店を含めると、東京圏と札幌で15店になる。

北海道の食材を中心にした料理を出しているカジュアルなイタリア料理店だ。北海道の食材といえば、イクラやウニ、コンブなどの海産物、牛乳やバターなどの酪農製品を思い浮かべるが、農作物も豊かだ。

ジャガイモはもちろん、タマネギ、ニンジンは収穫量が全国でトップ。実はカボチャもトップとなっている。そして意外と知られていないのが、小麦の収穫量。農林水産省によると、2020年の小麦収穫量94万9300トンのうち、北海道は62万9900トンを占める。日本は食料自給率がカロリーベースで約37%と低く、多くを海外からの輸入に頼る。小麦も例外ではなく、自給率は約15%。その貴重な国産小麦のうち、北海道のシェアは実に66%に及ぶのだ。

「ミア・ボッカ」は、北海道産のこうした豊かな食材を生かして、イタリアンを展開している。考えてみると、こうした発想は意外になかった。多くのイタリアンは、「イタリア修業経験のあるシェフが作る本場の味」系か、安さと使い勝手の良さを売りにした店ばかり。実は面白い立ち位置にいるのだ。

21年8月に開店した「ミア・ボッカ」池袋東武店(東京・豊島)を訪れた。東武百貨店池袋店にある、「SPICE」と呼ばれる5階層のレストラン街の一つ、カジュアルレストランフロアにある。平日の午後2時前。入りやすいだろうと思って行ったのだが、意外に客がいる。さすがにパンパンではなかったが、ちょっと驚いた。

そしてびっくりするほど女性客が多い。30代から50代くらい。買い物ついでに店を訪れる、いわゆる「マダム」だ。上のフロアには「四川飯店」などの有名店もあるが、それに負けない入り。イタリアンの強さか。

売り物の「北海道マルゲリータ」(1480円)を注文する。トッピングのモッツァレラチーズはもちろん、生地も北海道産小麦100%。これがほかにない特徴だ。そして9種類あるすべてのピザの生地は、北海道産小麦を使っている。

北海道産小麦を使ったピザ生地は初めてだったが、食べてみると、これがなかなか良い感じ。生地自体は定番となっている薄めだが、口に入れた時にキレがある。そして喉ごしがよいのだ。オジさんは歯が弱くなっていて、耳の部分を残してしまうことも多いのだが、しっとりと軟らかく、違和感なく食べることができた。

ピザは、もちもち感の強い印象があるが、全体的には軽い。九州に「ピッツェリア・ダ・ガエターノ」(福岡市)というイタリア発祥のピザの繁盛店があるのだが、ここのピザは本当に軽く、飲んだ帰りでも一人で1枚食べられるほど。「ミア・ボッカ」のピザもそれに迫る食べやすさだ。一般的なナポリピザなどはもっちり感に味わいがあるが、ともするともさもさ感となり、飲み込むのにちょっと引っかかる。「ミア・ボッカ」はそうしたもさもさ感が全くなく、「するすると喉を通る」ふわふわで軽い「飲めるピザ」。店の研究と技術もあると思うが、これが北海道小麦の実力なんだろう。北海道おそるべし。

スタッフに聞くと、商業施設内ながら店の中に高温で焼くことができるピザ窯を導入することで短時間にパリッとした感触を作れるという。さすがに本場のような薪を使った薪釜ではないそうだが。

カルボナーラの卵も北海道の養鶏場産

これはパスタもいかざるを得ない。おなかが出て、胴囲が90センチを超えようともやらなくてはいけないことはやるのだ。注文したのは、「『下川六◯酵素卵』の濃厚カルボナーラ」(1480円)。下川六◯酵素卵とは、北海道にある養鶏場で、そこで独特の餌を食べさせた、滋味のある卵とのこと。

カルボナーラは、良質なベーコンから出るうま味と良質な卵、そして店によって違いはあるが、生クリームとチーズの使い方がポイントだと思っている。麺はイタリア産を使っているとのこと。

食べてみると、満足できる水準。ピザを食べた時にも感じたが、全体に上品なのだ。ベーコンもチーズもあまり主張せず、かといってそっけなくない。もう少しお安い店だと、妙に塩気が強かったり、カルボナーラにかけるブラックペッパーが強かったり、ある意味、味をごまかしているところが少なくないと思っているのだが、そうしたジャンク臭は感じられない。素材の力をうまく引き出せている。

健康と美容に気を使うマダムが多く店を訪れているのも、よく分かる。ランチ時間帯には、サラダ、パスタ、ピザを1品ずつとフォカッチャ、ドリンクが付く2人用の「ランチアモーレコース」(3300円)も提供しており、使い勝手が良い。1人当たり予算は、昼が2000円、夜が4000円強というところか。人気が出るのも納得がいく。

さらに季節感を強く打ち出しているのも面白い。夏場は「塩水ウニ」を使った冷製スパゲティが人気だという。塩水ウニとは、獲れたウニを塩水に浸したままで流通している商品。ウニは通常、ミョウバンで洗うことで劣化を防ぎ、それがよく見る箱ウニになっているが、塩水ウニはそれとは違った味わいがあるとされている。

現在は、サンマがテーマ。今年は漁獲量が少なく、太り方も今ひとつと言われるが、サンマを丸ごと1尾使ったパスタを投入しており、思い切りを感じる。

業界を見ると、価格帯的には「カプリチョーザ」や「ポポラマーマ」という日常使いの店舗ではなく、サンマルクホールディングス傘下の鎌倉パスタ(岡山市)が展開する生パスタの「鎌倉パスタ」や、ドトール・日レスホールディングスの「洋麺屋五右衛門」に近い。ただ、「鎌倉パスタ」は生パスタが売りで、「洋麺屋五右衛門」は箸で食べる和風パスタが売り。「北海道イタリアン」という切り口は、斬新だ。

「ミア・ボッカ」を経営するのは、北海道を基盤にするイーストン(札幌市)。北海道と首都圏を中心に焼鳥店「いただきコッコちゃん」など46店を展開している(21年3月現在)。出店・マーケティングを統括する大山敏行副社長に聞いた。

塩水ウニやシカ肉など季節商品も

――「北海道イタリアン」って、ありそうにないコンセプトですが、どこからの発想ですか?

大山 イーストンは1986年に札幌で事業を開始しましたが、主にイタリアン分野でした。高級店をやったり、ロードサイド展開に挑戦したりする中で、郊外でも対応できるカジュアルイタリアン業態をやってみようとなったんです。

そこでの売りを考えたときに「北海道」という切り口が生まれました。30年以上イタリアンをやって、北海道の様々な生産者とのつながりができたので、それを生かさない手はないな、と。ピザ生地も当初はイタリア産小麦を使っていたのですが、なにか違うと北海道産に切り替えました。今の味にするまでには結構苦労しましたけどね(笑)。

――メニューも工夫があります。

大山 定番商品もそうですが、季節商品にも力を入れています。例えば、「塩水ウニ」を使った冷製パスタ。1700円以上と少し高いですが、夏のヒット商品です。このためにウニは空輸していますから。冬にはシカ肉を使ったりもしています。

――商業施設中心なのは、なぜですか?

大山 首都圏でもいろいろやってみたんですけど、ロードサイドは競合が多く、厳しいし、山手線の東側はなぜか、人がなかなか採用できない。それであれば、新宿より西側で、しかも商業施設に絞り込んでみようと考え、それがうまくいきました。しかも、いま商業施設は撤退が多いので、比較的好条件で入ることができています。

――では、今後首都圏での攻勢を掛けていく、と。

大山 いやコロナ禍なので、そこは慎重に行きたいです。「ミア・ボッカ」は年に2店くらいのつもりです。設備が重いので初期投資がかかるのがネックです。ただ、ここ2年ほどで出店を始めたパスタ専門店「麦と卵」は、小箱で投資効率が良いので、こちらも同時に伸ばしていこうと考えています。

(フードリンクニュース編集長 遠山敏之)

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