コスパ抜群のイタリア製 武骨なパンツと相性よし
東京都世田谷区の三軒茶屋にある「SEPTIS(セプティズ)」の白木凛太郎氏にも話を聞いた。選んでくれたのは、店の定番アイテムとして安定した人気があるイタリアのファクトリーブランド「GICIPI(ジチピ)」のニットポロだ。
「アンダーウエアのファクトリーブランドというだけあって、ジチピのニットポロは生地が非常に柔らかく、肌触りに優れています。生産はすべてイタリアで行っているにもかかわらず、1万円でおつりがくるというコスパの良さも人気の理由ですね」

アメカジやアイビーをベースに、米国発の骨太なアイテムを多くそろえるセプティズでは、イタリア発のジチピはやや異色にも思える。店頭での反応はどうなのだろうか。
「近年、ユーロミリタリーのアイテムが流行している影響からか、ヨーロッパブランドのアイテムに親しみを感じるお客様は増えている印象です。また、ジチピのニットポロに関しては、タイト目のフィット感だった従来に比べて、昨シーズンあたりからシルエットがゆる目に変更されています。最近のトレンドの服とも合わせやすくなったので、お客様からの反応はいいですよ」


カラーは白、黒、グレーとオーセンティックな3色をそろえる。店頭で人気が高いのは、編み地の表情が豊かなグレーだそう。大人っぽく着こなすコツも白木氏に聞いた。
「上品なトップスには、相反するテイストのボトムスを合わせるのが、着こなしのひとつのテクニックです。例えばラギッドなミリタリーパンツを合わせると、キレイな印象になりすぎず、バランスの取れたスタイリングになりますよ」

モッズの名品オマージュ 着心地抜群の「山形ブランド」
「うちの店は立地柄、20代半ばくらいの年齢のお客様が多いのですが、最近はニットポロを求める方が増えています。シャツほどかっちりしていませんが、Tシャツほどラフに見えないのが人気の理由だと思います」
そう話すのは「ADAM ET ROPE'(アダムエロペ)渋谷PARCO店」のショップマネージャー、森田直也氏だ。アダムエロペが山形発のニットファクトリーブランド「BATONER(バトナー)」に別注したニットポロを紹介してくれた。

「スビンゴールドという高級糸を使い、丁寧に編み立てられたニットポロです。ほどよい光沢があるコットン地なので、見た目はウールのような上品さがあります。肌当たりもよく、着心地は抜群です」
生地のクオリティーだけでなく、1960年代に英国で流行したモッズと呼ばれる若者たちがよく着ていたポロシャツのような襟のデザインも特徴的だ。
「実は、ブラックカラーのほうは人気ミュージシャンで、ファッションアイコンでもあるトム・ヨークが着ていたフレッドペリーのポロシャツをイメージして別注しました。モッズの要素をバトナーらしい上質な生地に落とし込んでいるので、よりシンプルかつクリーンに着られると思いますよ」


落ち着いた雰囲気で着たいなら、襟のラインが目立ちやすいブラックよりも、同系色のラインをあしらったネイビーがおすすめと話す森田氏。コーディネートはどうすればいいだろうか。
「ドレッシーなスラックスにも、もちろん合いますが、少し変化をつけるならナチュラルな素材感のパンツを合わせたいですね。バトナーの上品さを損なわない程度に、カジュアル感を足すとスタイリングに余裕が生まれます。よりカッコよく着こなせると思いますよ」

文:FACY編集部 平野美紀子(https://facy.jp/)

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