コスパ抜群のイタリア製 武骨なパンツと相性よし

東京都世田谷区の三軒茶屋にある「SEPTIS(セプティズ)」の白木凛太郎氏にも話を聞いた。選んでくれたのは、店の定番アイテムとして安定した人気があるイタリアのファクトリーブランド「GICIPI(ジチピ)」のニットポロだ。

「アンダーウエアのファクトリーブランドというだけあって、ジチピのニットポロは生地が非常に柔らかく、肌触りに優れています。生産はすべてイタリアで行っているにもかかわらず、1万円でおつりがくるというコスパの良さも人気の理由ですね」

1948年に生まれた「ジチピ」は今なおメード・イン・イタリアを貫くアンダーウエアの老舗ファクトリーブランド。アンダーウエア作りのノウハウを生かし、良質な製品をリーズナブルな価格で提供する。鹿の子編みよりも柔らかい"蜂の巣鹿編み"と呼ばれる製法で編んだ生地は、素肌に着たくなるほどの滑らかな肌触り。GICIPI / S/S NIDO DAPE SUMMER KNIT POLO SHIRTS “SCAMPO” 9680円

アメカジやアイビーをベースに、米国発の骨太なアイテムを多くそろえるセプティズでは、イタリア発のジチピはやや異色にも思える。店頭での反応はどうなのだろうか。

「近年、ユーロミリタリーのアイテムが流行している影響からか、ヨーロッパブランドのアイテムに親しみを感じるお客様は増えている印象です。また、ジチピのニットポロに関しては、タイト目のフィット感だった従来に比べて、昨シーズンあたりからシルエットがゆる目に変更されています。最近のトレンドの服とも合わせやすくなったので、お客様からの反応はいいですよ」

ジチピは材料の調達から縫製、仕上げまで一貫して北イタリアのパドバにある自社工場で行う珍しいブランド
襟部分の杢(もく)感が目を引くグレー。ボディーの素材感とのコントラストがしゃれている

カラーは白、黒、グレーとオーセンティックな3色をそろえる。店頭で人気が高いのは、編み地の表情が豊かなグレーだそう。大人っぽく着こなすコツも白木氏に聞いた。

「上品なトップスには、相反するテイストのボトムスを合わせるのが、着こなしのひとつのテクニックです。例えばラギッドなミリタリーパンツを合わせると、キレイな印象になりすぎず、バランスの取れたスタイリングになりますよ」

ミリタリー由来のカーゴパンツはニットポロをカジュアルダウンするのにぴったり

モッズの名品オマージュ 着心地抜群の「山形ブランド」

「うちの店は立地柄、20代半ばくらいの年齢のお客様が多いのですが、最近はニットポロを求める方が増えています。シャツほどかっちりしていませんが、Tシャツほどラフに見えないのが人気の理由だと思います」

そう話すのは「ADAM ET ROPE'(アダムエロペ)渋谷PARCO店」のショップマネージャー、森田直也氏だ。アダムエロペが山形発のニットファクトリーブランド「BATONER(バトナー)」に別注したニットポロを紹介してくれた。

さまざまなメゾンブランドのOEM(相手先ブランドによる生産)を手がける、山形県寒河江市にあるニットメーカー「奥山メリヤス」。同社が展開する「バトナー」とアダムエロペの別注品は、上質な超長綿として知られるスビンコットンの中でも最高級の“スビンゴールド”を採用。肩幅、身幅ともにゆとりを持たせたシルエットに仕上げた。BATONER /別注 SUVIN GOLD HG OVER POLO 2万4200円

「スビンゴールドという高級糸を使い、丁寧に編み立てられたニットポロです。ほどよい光沢があるコットン地なので、見た目はウールのような上品さがあります。肌当たりもよく、着心地は抜群です」

生地のクオリティーだけでなく、1960年代に英国で流行したモッズと呼ばれる若者たちがよく着ていたポロシャツのような襟のデザインも特徴的だ。

「実は、ブラックカラーのほうは人気ミュージシャンで、ファッションアイコンでもあるトム・ヨークが着ていたフレッドペリーのポロシャツをイメージして別注しました。モッズの要素をバトナーらしい上質な生地に落とし込んでいるので、よりシンプルかつクリーンに着られると思いますよ」

黒地の襟部分に配した2本のラインがモッズを思わせる
別カラーのネイビーは襟部分のラインの色が目立たず、ビジネス使いも視野に入る

落ち着いた雰囲気で着たいなら、襟のラインが目立ちやすいブラックよりも、同系色のラインをあしらったネイビーがおすすめと話す森田氏。コーディネートはどうすればいいだろうか。

「ドレッシーなスラックスにも、もちろん合いますが、少し変化をつけるならナチュラルな素材感のパンツを合わせたいですね。バトナーの上品さを損なわない程度に、カジュアル感を足すとスタイリングに余裕が生まれます。よりカッコよく着こなせると思いますよ」

古着のミリタリーパンツを合わせた森田さんの着こなし

文:FACY編集部 平野美紀子(https://facy.jp/)


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