dressing

2022/11/21
「伯爵の肉団子」の中身は豚肉、クワイ、ハクサイと10数種類の調味料。外側は香ばしくカリカリで、中は軟らかくトロトロの食感

「伯爵の肉団子」は、590円という価格で1皿に10個と山盛り。豚肉とクワイ、ハクサイ、調味料は12~13種類ほどをブレンドしている。味がついているのでなにもかけずにこのまま食べ、好みでカラシを付ける。肉団子だけをそのまま食べるのは、もしかしたら初めてかもしれない。

揚げたてで熱々の肉団子を口に入れると、外側は香ばしくカリカリだが、中は「飲める肉団子」と呼びたいほど軟らかく、トロトロ。こんなに外側と内側のコントラストが大きい肉団子は初めてだ。なめらかなタネの中にしのばせたクワイのシャクシャクとした食感も絶妙で、やけどしそうな舌をビールで冷やし、またひとつ、またひとつと口に放り込み、あっという間に完食してしまった。

芳村さんによると、原さんから最も多く修正が入ったのが、食感。「『クワイの食感が生きていない』と言われ、あく抜きの時間を短くしたり、切り方もいろいろと変えて、やっと合格をもらいました。肉も背脂を入れることでなめらかさを出しているのですが、入れすぎると油っぽくなるので、これも調整を重ねました」(芳村さん)。

肉団子用に1日20キログラムの肉を使用し、野菜はすべて店内で刻んで、一から手作りしている。大変だが、完全な手作りなのでこの価格で提供できているそう。

また、他の料理と肉団子の組み合わせで人気の高いものを、料理メニューとして提供している。

肉団子のアレンジメニューで最も人気が高い「酢豚風肉団子」

最も人気が高いのが、「酢豚風肉団子」。食感を残して短時間で炒めた野菜に、黒酢を使用したコクのある甘酢あんをかけている。

トロトロの肉団子とあんが口の中でひとつになり、そのまま食べるとカリカリだった表面の食感もガラリと印象が変わる。

「八宝菜風肉団子」、「青椒肉絲(チンジャオロース)風肉団子」も、すべて同じ肉団子と思えない味わいに。肉団子のふところの深さを知った。

同店は肉団子以外のメニューも30種類ほどあり、どれも頼みやすい手ごろな価格帯。中国料理店では冷凍の完成品を使用する店も少なくないが、ほぼ手作りで、タレも店内で一から作っているという。