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羽田空港に駐機する全日空や日本航空などの旅客機

羽田空港に駐機する全日空や日本航空などの旅客機

新型コロナウイルスの直撃を受けた航空会社が、コロナ後を見据えて新卒採用の再開を表明し始めた。変異ウイルス「オミクロン型」の流行でいまだ経営環境は不透明だが、航空業界を目指す学生にとっては朗報だ。コロナ下でも客室乗務員(CA)などへの夢を抱き続けた女子学生らは、どう進路を模索するのか。再び動き始めたエアライン就活の今を追った。

「CAが働く場、空だけではない」IT資格取得に励む

「挑戦する機会ができる。本当に良かった」。私立大学3年の外山真海さん(仮名)はそう喜ぶ。報道で日本航空(JAL)が採用の再開を検討していることを知ったためだ。母親がCAだった外山さん。子どもの頃から「CAに憧れていた」という。

コロナ下で大手航空会社が採用を見送ってきた中、外山さんがこの一年、力を入れたのはIT(情報技術)資格のMOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)や秘書検定の勉強だ。CAを諦め、他業種に志望を変えたわけではない。むしろ「CAへの強い気持ちを航空会社にアピールするため」だと話す。

理由は「飛べぬCA」の姿を見たからだ。コロナ下で航空需要が低迷する中、減便により乗務機会が減ったCAらがコールセンターやスーパーなどに出向するのをメディアを通して知った。志が揺らぐことはなかったが「CAが働く場は空だけではない」ことにも気づかされたという。コロナ収束後も需要がどこまで回復するかは分からない。「これからはオールマイティーに活躍できる人材が求められる」と痛感した。

この1年、英語検定試験のスコアを高めるなど、CA採用に向けた努力も欠かさなかった。そのうえでMOSや秘書検定の資格があれば「IT事務もこなせるとアピールできる」と外山さん。非航空事業でも活躍できるCA像を携え、就職活動に臨む。

大手は採用再開の見通し、再チャレンジ組も動く

大手航空会社はコロナ後を見据え、採用再開に動き出している。ANAホールディングスは昨年12月、2023年度入社の新卒採用再開を発表した。CAの採用は見送るが、事務系や整備など総合職の採用を再開する。卒業後3年以内であれば他社に在籍していても応募できるほか、キャリア採用も強化する計画だ。

グループ会社のピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)は22年度入社のCA採用を再開する。JALもCAなどの採用再開を検討している。

航空業界の志望者向け就活スクール、ECCエアライン学院(大阪市)チーフトレーナーの松田美紀子さんは、コロナ禍を経て航空業界が求める人材は多様化すると指摘する。「どんな環境でも柔軟に働ける人材の必要性を、各社が再認識している」

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