Men's Fashion

スタジャンやハーフコート ウールアウターは重ね着で

プロのコーデ

USONIAN GOODS STORE 早野海さん

2021.12.14

USONIAN GOODS STOREの早野海さん

ここ数年、冬のアウターの主流といえばダウンジャケットだったが、今年はスタジャン(スタジアムジャンパー)やダッフルコートなど、ウール素材を使ったトラディショナルなアウターに注目が集まっている。学生が着るイメージが強いこうしたアイテムのなかで、大人にふさわしいのはどんなものだろうか。どうコーディネートするのが正解なのか。東京・原宿にあるUSONIAN GOODS STORE(ユーソニアングッズストア)の早野海さんに聞いた。




ウールのアウター 適度な“外し”で大人っぽく

――店頭でのウール素材のアウターの人気はどうですか?

「そうですね。やはりダウンジャケットの人気は根強いですが、今年は同じくらいウール素材のアウターも需要が高まっています。特に注目されているのはSETTLEMIERS(セトルマイアーズ)のアイテムですね。スタジャン専門のブランドですが、襟付きのトラディショナルなものからハーフコート風の着丈のものまで、当店が別注をかけた一味違うデザインのものを展開しています。選択肢が多いので、これまでスタジャンになじみがなかった人でも手に取りやすいと思います」

――ウールのアウターはダウンジャケットより保温性が低い印象です。防寒対策はどうすればいいでしょうか?

「『防寒着』といわれるアイテムを普段より多く着込めばいいでしょう。例えば、シャツの上にウールのセーターとコートを着て、マフラーを巻いて、手袋をはめて、厚手の靴下をはく、といった具合です。身につけるアイテムの数が増える分、着こなしの幅も広がりますよ」

「しっかりと重ね着をして防寒対策をすれば、ウール素材のアウターでもキャンプができるほどの保温性を確保できると思います」

――色や素材の組み合わせを楽しめばいいんですね。ウール素材のアウターを大人の男性が取り入れるとき、どこに注意すればいいですか?

「トラディショナルなデザインのものが多いので、たとえ作りがいいとしても、定石通りに取り入れるだけだと面白みに欠けた印象を与えやすいです。『着こなしを自分なりに考えている』と思ってもらえるような工夫を意識的に入れるといいでしょう」

――具体的にはどんなものがおすすめですか?

「ひとつは、色や素材などでトレンドの要素を取り入れることですね。もうひとつは、王道的なスタイルから“外す”着こなしです。スポーティーなシューズや変わったデザインの小物などを身につけることで、適度な遊び心を取り入れられます。どのような“外し方”がしっくりくるかは着用者やアイテムによって千差万別なので、鏡の前で何度も試すのがおすすめです」

――このアイテムはこう着るべきだ、という固定観念にとらわれすぎないのが大事なんですね。

「そうですね。あとは、意識レベルの話ですが、着こなしをオンとオフで分けないようにするのもポイントです。例えば、カジュアルな着こなしでもネクタイを締めるという選択肢をつくることで、コーディネートの幅がぐっと広がります。そのためにオックスフォードシャツやフランネル素材のブレザー、チノパンなど、オンオフ問わず使えるアイテムをそろえるのもいいでしょう。カジュアルとフォーマルに境目をつくらないのは、ファッションをよりいっそう楽しむためのコツではないかと思いますね」