「服装の自由は発想の自由」 だから仕事靴はスニーカー
フランスの銀器ブランド、クリストフル ジャパン(東京・渋谷)社長のフレデリク・ジェダさん(46)は「服装の自由」が、従業員の発想を広げる一助になるとの考えを持っています。好きな服装で通勤してよい、Tシャツで仕事をしたってOK。ただし社外の人との打ち合わせなどがあるときはきちんとした服装をする、というのが同社のルール。そこで増えたのが「置きシャツ」や「置きジャケット」。会社には従業員のために着替え用のスペースまで用意しています。
ジェダさん自身もスーツやネクタイをオフィスに常備していますが、普段はリラックスしたジャケット&パンツ姿が多くなり、足元はスニーカーの出番が増えました。実は大の「オニツカタイガー」のスニーカーファン。服装にもニューノーマルが到来している今こそ、堅い企業の経営者であっても、色の組み合わせや素材でもっと遊んでもいいのでは、と話しています。


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「おしゃれ無用」だったアスリート ほめられて方向転換
ドイツのタオル地ハンカチ、フェイラージャパン(東京・千代田)社長の川部将士さん(49)は14年間楕円ボールを追いかけたラガーマン。がっしりした体形にスーツが映えますが、そのラグビー体形に大いに悩まされてきたと言います。服選びに影響するのが首回りで、ラグビーから離れた今でも筋肉は落ちず、45センチもあります。商社マン時代は既製服のスーツやシャツを無理やり着ていたといいますが、今は体形に合うスーツやセットアップとの出合いを楽しんでいます。お気に入りは、機能的で軽やかなBOSSやラルディーニだそうです。
ファッションの面白さを教えてくれたのが、かつて出向していたバーニーズジャパン。販売員は、川部さんが選ばないようなアイテムをすすめ、着こなし方を教えてくれ、ほめてくれる。チャレンジすることを後押しされ、ファッション観が変わったそうです。


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「自分なりのスタイルを貫く」仕事服 でもTPOはしっかり
米スポーツアパレル「アンダーアーマー」の日本総代理店、ドーム(東京・江東)会長、安田秀一さん(52)は会社でも家でもアンダーアーマーのウエアを手放しません。スエットのセットアップにスニーカーという軽快な服装で、仕事に臨みます。ドレスコードが存在しない職場では自分なりのスタイルを貫く、というのが正解です、ときっぱり。仕事相手がラフな格好でオフィスに現れても、まったく気にならないと言います。一方で、パーティーやセレモニーなどという時はタキシードやダークスーツで臨みます。服装で重視するのはオケージョン(機会)なのです。
大好きなブランドだと明かしてくれたのがシャネル。創業者、ココ・シャネルの思想に共鳴するそうです。シャネルは女性のために女性デザイナーが作った服。動きやすいジャージーを取り入れて、コルセットをした窮屈なファッションをまとっていた女性を解放しました。アンダーアーマーの創業者も、安田さんも元フットボール選手。アスリートがアスリートのために考え抜いて生み出されたアパレルというところが、シャネルと共通するのでしょう。


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SUITS OF THE YEAR 2022
3年ぶりの有観客開催となる華やかな授賞式の模様をYouTubeライブで生配信。 スペシャルな受賞者のスーツの着こなしにご注目ください。