
シーラカンスのごとく往年の姿を保ちながら、時代を超えて受け継がれてきた偉大なるトラッドの名品。それらを今、どう活用するか? M.E.の看板スタイリストがご提案しよう。

本誌をはじめ、数々のメンズファッション誌や広告で活躍する大人気スタイリスト。トラッドにも深い造詣をもつ。昨今はセレクトショップとコラボした洋服作りも精力的に行い、ヒット作を連発している。
■G.H. BASS “LOGAN”
アイビーのアイコンはいかに“崩す”かが鍵
コインローファーの元祖といえる「ローガン」。現在は内部の構造を改良し、クッション性を大幅にアップさせるなどひそかな進化を果たしているが、ルックスは往年の表情を堅持している。「ノーズの短いシェイプといい素朴な縫製といい、ローファーの中でもカジュアルな印象の強い靴だと思います。ですので、実は今どきの軽快なセットアップと非常に相性がいいんですよね。今回は“モダンアメトラ”なイメージでまとめてみました。セットアップはシアサッカー素材ですが、トラッドの定番である青白ストライプではなく黒白縞(じま)。インナーもBDシャツやポロより崩したレタードスエットにして、ベースボールキャップでさらにハズシも加えました。全体のムードとしては往年のアイビースタイルを意識しつつ、アメカジアイテムを適度にミックスして適度に“崩す”ことが今どきに見せる秘訣かなと思います」(四方さん)

■LEVIS VINTAGE CLOTHING “STA-PREST”
淡色トップスを合わせ独特の色を引き立てる
1964年に誕生し、クリースを入れてはく上品な5ポケットパンツとしてトラッドファンの心をつかんだ“スタプレ”(ステイ・プレスト)。ノンデニムゆえパリッとしたクリーンさを備え、シワや形崩れに強いのも特徴だ。「ピシッとクリースが入った独特のラインに加え、色使いも個性的なのがスタプレの特徴ですね。今回選んだ一本も、カーキともグリーンともつかない絶妙な発色です。紺や黒よりは、ベージュやオフ白など淡い色みのトップスと合いますね。あまりコントラストをつけず、全身がグラデーションになるようにまとめていくのがおすすめです。それから、ジャケットのように堅いアイテムよりは、カーディガンなど力の抜けた羽織りものを合わせたほうが今っぽく見えると思いますね。ベルトは近年、服飾業界人たちの間でひそかに人気のエラスティックメッシュ。フレンチ的な抜け感をプラスできるのが魅力です」(四方さん)


THE NIKKEI MAGAZINE 4月誕生!
Men's Fashionはこの4月、あらゆるビジネスパーソンに上質なライフスタイルを提案するメディア「THE NIKKEI MAGAZINE」に生まれ変わります。限定イベントなどを提供する会員組織「THE NIKKEI MAGAZINE CLUB」も発足します。先行登録はこちら