
知性・品格・誠実を象徴するトラッドスタイルは、ビジネスシーンに最も適した装いのひとつ。ひとつだけ注意したいのは、懐古なコスプレに陥らないことだ。4つのキーアイテムを軸に、“今”を体現する具体策を解説していこう。
Key item 1:Blazer ブレザー
■RALPH LAUREN PURPLE LABEL(ラルフ ローレン パープル レーベル)
ペイズリータイで’80sトラッドな格調をまとう
肩パッドによって構築美を演出したダブルブレザーは、程よくシェイプされたウエストやチェンジポケットなどにブリティッシュ・アメリカンな趣が漂う。クレリックシャツにマダー調のマットなペイズリータイを合わせれば、’80年代トラッドを思わせる格調と華やぎに満ちた装いが完成。胸ポケットにはシルクチーフをふんわりと挿し、英国ムードを高めている。靴はビスポークテイストなバタフライローファー。これも英国伝統のデザインだが、実はイタリア靴というヒネリがミソだ。28万500円(ラルフ ローレン)

■OLD ENGLAND(オールド イングランド)
淡色ポロでフレンチの洒脱(しゃだつ)を表現
’80年代フレンチアイビーブームから今に至るまで、不朽の人気を誇るパリの名門・オールド イングランド。秋冬のアイコンであるダッフルコートと並んで高い人気を誇るブレザーは、やはりフレンチムードで着こなしたい。そのポイントは色使い。ネイビーやグレーではなく淡いブルーで甘さを加えつつ、白黒千鳥のパンツと黒のシングルモンク靴でクールなミニマルさも演出している。首元にはシルクの巻き物をのぞかせるのも忘れずに。8万2500円(オールド イングランド 広尾店)

■PAUL STUART(ポール・スチュアート)
ヴィターレ・バルべリス・カノニコが手がけたホップサックは、仕立て服に用いられるようなハリコシのあるタッチ。男らしいワイドラペルとも調和している。コッパー(銅)色のボタンも味わい深い。12万1000円(ポール・スチュアート 青山本店)

■SARTORIA RAFFANIELLO(サルトリア ラファニエロ)
大阪に本店を構えるビスポークテーラーの東 徳行氏が手がける既製服。美しいノボリを描く上襟や低めのゴージなどにサルトリアならではの美意識が薫る。素材はドーメルのウールモヘア。9万9000円(ラファニエロ)

■STILE LATINO(スティレ ラティーノ)
スーパー160’sの極上ウールを4プライにしてホップサックに織ったぜいたくな生地を採用。仕立て映えするハリとともに、ラグジュアリーな光沢も備える。モデルはモダンなシルエットの「レオ」。30万8000円(リング 東京店)

■BROOKS BROTHERS(ブルックス ブラザーズ)
涼やかなトロピカルウールはヴィターレ・バルベリス・カノニコ製。クリアな素材感ゆえドレス感も漂う。モデルはゆったりしたフィットや深いアームホールが特徴の「マディソン」。7万5900円(ブルックス ブラザーズ ジャパン)


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