生理や更年期、男性も学ぶ ヤフーは全役員に検定

下腹部が痛む生理痛や、ほてりやめまいに悩まされる更年期症状など、女性特有の不調に苦しむ人は多い。こうした女性の健康問題を理解しようと、学校や企業で学ぶ男性が目立ち始めた。なぜ女性の健康問題に向き合うのだろうか。取り組みを追った。

男子校で生理の授業「いい機会になった」

「生理の周期や日数はみんな同じで決まっている?」「答えはノーです」

東京都千代田区の男子校、正則学園高校で昨年11月、生理を学ぶ特別授業が開かれた。集まったのは2年生の全6クラス。ソワカウィメンズヘルスクリニック(東京・千代田)院長で産婦人科医の竹元葉さんらが、ホルモンバランスの変化がもたらす女性の体調不良や生理のしくみなどについて説明すると、食い入るように耳を傾ける。

この授業は宝島社の「もっと話そう! ハローフェムテック」事業の一環だ。女性の心身の悩みをテクノロジーで解決するフェムテックの理解を広げようとする取り組みで、生理や性感染症の知識にまつわるクイズをしたり、生理用品を手に取ったりする時間もあった。授業の最後には「生理の話題はこれまで下ネタの雰囲気が抜けなかった」という生徒が「いい機会になった。性教育は小学生からやるべきだと思う」と話した。

「事前学習で生徒たちも正しい知識をほしがっているという感触があった」。教員の萩原寛大さんはこう述べる。授業を実施したのは女性のパートナーを得たり、働いたりするときに異性を思いやれるようになってほしい、という考えからだ。「今は男子校という男社会にいるが、いずれ多くの女性と出会う。そのとき正しい知識が役に立つはずだ」と期待を込める。

(注)日本財団の18歳意識調査(21年)から。17〜19歳が対象
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