――ボタンは一番上まで、ですね。
「シャツがカジュアルな印象なので、きっちりと第1ボタンまで留めることで着こなしに上品さをプラスしています」
――パンツはどう選んだのですか?
「グレーのアイテムで全体に統一感を出したかったので、チャコールグレーのものを着用しています。シャツのボリュームに合わせて、シルエットは短すぎず細すぎない、適度にゆったりとしたものを選びました」


――シャツとショートパンツを合わせるとき、どこに気を付けたらいいでしょう?
「シャツの素材にはこだわった方がいいでしょう。ドレスシャツのような光沢のある生地だと、チグハグな印象を与えてしまいます。できるだけカジュアルなデザインのものを選ぶのがポイントですね」

秋に着たいブラウンコーデ さりげなくストリート要素も
――3組目はシャツとデニムパンツを組み合わせた着こなしです。
「シャツ、インナーのTシャツ、靴、小物までブラウンで統一しました。この色でここまでそろえる人は多くないので、新鮮ではないでしょうか。パンツはブラウンと相性がいいデニムパンツを選びました。実は1990年代あたりの米国のラッパーはアースカラーのアイテムばかり着ていたんです。上品な印象に見えますが、ある意味で正統派なB-BOY(ブレイクダンスやラップなどをする若い男性)スタイルとも言えますね」

――シャツは素材もユニークです。
「THING FABRICS(シングファブリックス)という愛媛県今治市発のブランドのものです。タオル生地なのですが、一般的なパイル地(繊維を丸くループ状に織ったもの)ではなく、平織りのように起伏が少ないものを使っています。高い吸水性を備えていながら、ヴィンテージのミリタリーウエアのような武骨な雰囲気を持っているのが特徴ですね」
――シャツの前を開けて着るときは、どこに気を付けていますか?
「インナーに着るTシャツの丈の長さですね。シャツとちょうど同じくらいか、それより短いかでないと違和感を覚えます。そのため、同じアイテムでもサイズ違いで持っていたりしますね(笑)」


――デニムパンツはどう選んだのですか?
「色使いが特徴的な分、シルエットはベーシックなものがいいと思い、あまり太すぎない一本を選びました。ORDINARY FITS(オーディナリーフィッツ)という岡山県発のブランドが、ヴィンテージのLevi’s(リーバイス)501をイメージして手がけたものです 」
――足元もブラウンです。
「そもそもブラウンのスニーカーというのが新鮮ですよね。REPRODUCTION OF FOUND(リプロダクション オブ ファウンド)という日本のブランドの一足で、ドイツ軍が訓練用に採用していたスニーカーに着想を得ています。履き口やシュータンのボリューム感はスケシュー(スケートボード用のスニーカー)のようで、適度なストリート感も感じていただけるかと思います」

文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/) 写真:加藤潤

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