ゲーム理論や行動経済学の新展開も解説

全体は3部構成。ここまで紹介してきたパート1「マーケットを知る」に続いて、パート2「ビジネスはゲームだ」では、ゲーム理論やインセンティブ、行動経済学からビジネスのさまざまな事象を分析する。パート3の「産業組織論からの考察」になると、経済学の産業組織論の考え方から企業の競争戦略やイノベーションを論じていく。ビジネス現象の経済学的考察であるとともに、最新の経済理論や概念のわかりやすい紹介にもなっているところがこの本のおもしろさだろう。

とりわけ近年進展が著しいゲーム理論や行動経済学を現実のビジネスに即して読み物感覚で知ることができるのはうれしい。ところどころで経済学の名著もさりげなく紹介され、より深く経済学を知るための格好のガイダンスにもなっている。

まだ入荷間もないが、先週のビジネス書ランキングでは12位に入った。「この店は経営層やミドルリーダークラスの顧客が多いので、これからもっと売れていくと期待している」と、1カ月ほど前に武蔵小杉店から異動してこの店に来た店長の加藤よしこさんは話す。

『ビジョナリー・カンパニーZERO』、息長い売れ筋に

それでは、先週のベスト5を見ていこう。

(1)Q&A 日本経済のニュースがわかる! 2022年版日本経済新聞社編(日本経済新聞出版)
(2)ビジョナリー・カンパニーZEROジム・コリンズ、ビル・ラジアー著(日経BP)
(3)会社法判例百選 第4版神作裕之ほか編(有斐閣)
(4)年収300万円時代に成功するビジネス戦略 TARGET SHIFT湯浅浩一郎著(秀和システム)
(5)永久保存版「知の巨人」立花隆のすべて文芸春秋特別編集(文芸春秋)

(紀伊国屋書店大手町ビル店、2021年9月20~26日)

1位は日本経済のニュースをキーワードごとに経済記者が解説した教養書だ。2位には8月末に本欄の記事「NETFLIXも熟読 『ビジョナリー・カンパニー』の原点」で紹介した経営書が入った。息の長い売れ筋になっている。3位は会社法関連の重要判例を厳選したムック型の判例教材で、5年ぶりの改訂新版が出たため大きく売れた。4位は、ドローンビジネスを手がける起業家によるマーケティングの本。5位には、4月に亡くなったノンフィクション作家、立花隆氏を特集したムックが入った。

(水柿武志)

マネジメント・テキスト ビジネス・エコノミクス 第2版

著者 : 伊藤 元重
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 2,750 円(税込み)

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