
東京を東西に貫く中央線沿線でも、気取らない街と言える中野。昭和の雰囲気が残ったままのエリアも多く、昔ながらの食堂から最新のレストランまで多くの飲食店が軒を連ねている。その中でも、1991年オープンの「好味亭(こうみてい)」は、中野の街で30年以上愛され続けている、A5ランクの黒毛和牛を中心としたウマい肉を堪能できる老舗焼肉店だ。開店当初からの常連の中には、なんとお孫さんを連れて来店する人までいるのだとか。長いこと通い続けるリピーターが多いことこそ、なによりおいしい証拠だろう。
そんな「好味亭」では、ロースはすべてA4~A5ランクにこだわり、カルビはA5より上の「大トビ」も提供。大トビはA5より上のランクなので希少性が高い。あえて産地を限定しないことで、肉のランクや質を追求することができるのだという。
同店の肉のレベルをいろんな部位で堪能したいなら、「好味亭セット」を注文しよう。「赤身タン塩」のほか、「5番カルビ(A5最上級カルビ)」「ロース」「4番カルビ(A4最上級カルビ)」「熟成ハラミ」、サツマイモなどの野菜が盛られている。

盛り付けと一緒に提供されるつけダレには、焼く直前にさっと肉をひたすのがミソ。そうすることで、肉の甘みをしっかりと残したまま、最大限にうま味を引き出すことができるのだ。
焼くときは、「片面8割、返して2割」を目安に、肉の周辺の色が変わってきたら裏返して、返しは1度のみとするのが鉄則。軟らかさを残した肉が、かむたびに口いっぱいにうま味を広げて至福の時間へといざなってくれる。