岡島 義の「眠りの森」探検

睡眠は手段、執着・固執せず 達観するのが肝心

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「ないものねだり」(ないものを欲しがること)や「隣の芝は青い」(自分のものより他人のものの方が良く見えること)ということわざがあるように、自分にはないものを求めるのが人の性(さが)のようです。不眠に悩む人は往々にして快眠を求めてさまざまな努力をします。しかし、何事も「過ぎる」ことはよくありません。思いが強くなりすぎると、理想とする快眠に執着・固執することで視野が狭くなり、睡眠が手段であることを見失い、目的化してしまいます(「日本人の5分の1は不眠 悩む人と悩まない人の違いは?」参照)。今回はこのような執着から抜け出し、達観する方法について探っていきましょう。

■自分の状態、客観的に観察し続ける

快眠に執着してしまうと、日中、だるい感じがし、気分も乗らず、「よく眠れなかったから無理しない方がいいかも」と活動を抑えてしまうことがあります。これはうまく眠れなかった日に不眠に悩む人が陥ってしまう特徴的な悪循環ループです。

一見すると、自分の状態を観察できているようですが、今後起こり得ることへの不安に飲まれてしまっており、「主観的に」観察している状態と言えます。例えると「木を見て森を見ず」。非常に近視眼的になってしまい、今のつらさを解消することにばかり目が向いてしまっています。

ここで必要な視点は「客観的」に観察し続けることです。先の悪循環ループを例に取ってみましょう。

日中、だるい感じ(身体の状態)に気づき、気分も乗ってない状態(気持ち)なので、「よく眠れなかったら無理しない方がいい」という考えが浮かんだ。

あまり違いのないようにも見えますが、自分の中で起きている変化を客観的に分析していることがお分かりでしょうか。そして、悪循環ループとは異なり、この後の行動の選択肢が広がります。つまり、「活動を抑えるしかない」という一者択一ではなく、「いつも通り活動してみる」とか「とりあえず30分休憩してみる」といったように、バリエーションが増えます。

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